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『ジャケットやコートの価値とは?』

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『ジャケットやコートの価値とは?』

写真は TAKIZAWA NARUMIのジャケット  84,000yen(80,000)


当店が考える『正しいアウターの選び方』その1です。


まず始めに、アウター(ジャケットやコート)の価格、価値について考えたいと思います。

今、100万円の格安新車っていうのが話題になっているようです。
こういうのを見ると、100万円の新車っていうのは、『格安である』と考えられているようです。
そして、100万円の格安新車を買う庶民の方々は沢山います。


でも、10万円のジャケットやコートがあったとして、ほとんどの人は『高い!あり得ない』っていうんですね。

それはなぜなんでしょう??

5000円のジャケットやコートが存在しているからですか?
でも、5000円のコートと10万円のコート、全然違います。


そして、それを言うなら5万円の自動車も存在しているわけです。
なのに、なぜ100万円の新車を安いと感じて、10万円のジャケットやコートを高いと感じているのでしょう??


では、100万円の新車を買ったとして、あなたは魅力的な人間になるでしょうか??
これは、なりませんよね。便利な移動手段(ただし維持コストはかかる)は手に入りますが、あなたが魅力的にはならないんじゃないかと思います)
昔は、カッコイイ車を持っているとモテた時代っていうのが、ありましたけど、今では、ほぼ関係ないですし、そもそも100万円程度の新車では、カッコ良くなりようがありません。


では、30万円のスタイリッシュな薄型液晶テレビではどうでしょう??
これも、映像が映るだけで、あなたが魅力的になったりしません。テレビに映っている人が魅力的に見えることはあるかもしれませんけど。。
あなたには無関係ですね。


でも、10万円の素晴らしいコートやジャケットっていうのは、あなたを魅力的にする事が充分に可能なんです。


なぜそれが『高価』だと感じるのでしょうか??

それが、管理人にはよく理解出来ないわけです。



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PHOTO JACK HENRY 50,400yen(48,000)



管理人は、当店で売っているようなデザイナーズのアウターやらインナーを当然いくつか持ってますけど、それを使って生活してきて、それは高価過ぎるとは全然思えません。もう完全に元は取りまくってます。
やっぱり、次もそういう服を買います。
それは、それがそれなりの価値がある事を生活の中で噛み締めて暮らしているからです。


管理人の父親は、昔給料三ヶ月分でスーツ作ったことがあるのですが、50年くらい昔のその服、今見ても感動します。そういう服を見ていなかったら、たぶんこういう商売はしていなかったと思います。

とはいえ、給料3ヶ月分といえば、今でいえば60万円!とかなわけで、そこまで出せとは言えません。

ただ、まとまなアウター買うのに、給料の1週間分とか2週間分とかかけて良いでしょう?という話をしているわけです。




たとえば、あなたに似合って、あなたを魅力的にする10年間着れる10万円のコートがあったら、あなたは、10年間魅力的になれるんですよ。

たったの10万円で!

それでも高価なんでしょうか??
むしろ、ものすごく効果的で効率的なお金の使い方、投資だとは思えませんか?


服を買うっていう行為は、『時間を買う』っていう行為という風にも思えるんですね。
服を着ている間中、あなたは服と一体化しているわけです。

つまり、『服=あなた』 です。
服の存在が、あなたを引き上げる事が可能なんですね。



上記の条件でいえば、その10万円のコートは、10年間の時間を買うことなんです。10年間、それで魅力的になって幸せに暮らせます。たぶん。

人に褒められたり、異性にモテたり、仕事が上手くいったり、様々あるかもしれません。
説得力のある外見、魅力的な外見ていうのは、確かにあるのです。
そして何より、自分自身が精神的に充足します。


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photo GARE DRESS COAT 48,300yen(46,000)

『人は、外観では無い』っていう意見もありますが、『人は、思った以上に外観で判断している』わけです。


管理人は、もちろん中身が大事だと思っていますけど、たとえば、見た目がマズそうだけど美味しい和菓子屋ってありますよね?
でも、見た目がマズそうだと、そもそも和菓子を買ってもらえないから、美味しいという事が分らない。

そういう和菓子屋を見ると、デザインをちゃんとやってあげたいなあと思います。


人間も同じで、中身の魅力を外観によって表現した方が良いのに!と思うことは多々あるわけです。

出来れば、服によって、人を魅力的に見せてあげたい。
それが、管理人がやりたいと思っている最大の目標の一つです。




5000円の特に気に入ったわけでもないアウターを10年(といっても、10年着れるわけなくて、結局5着か、それ以上買うはめになるのは必至)着ても、たぶん良い事あまり無いと思うんです。それは、その服の存在によってあなたを引き上げてはくれないからです。服によって何か特別な事は起きない。もちろん、機能的には充分なのかもそれませんけれども、ということですが。(たぶん、世の中の大半はこういう人なはずです)



その上、生産する人は、低賃金で『女工哀史』のような環境で働かされている可能性が高いですし、企画する人も意味不明のスケジュールで重労働させられたりします。
環境コストとか、綿の栽培がどうなるとか、羊を飼う環境がどうだとか、『ファスト・ファッション』は、何も考えているわけが無い。
それ自体が、もの凄い勢いで売れ続けなくては、成り立たないシステムだからです。

これが『ファスト・ファッション』の現状です。



では、アウターの価格で、どれくらいの値段設定がまともなのか?というと、大体ジャケットで7万円、コートで10万円付近。

ここまで出すと、本当に良いものが手に入ります。
なので、本当に良いものが欲しい方は、これを目安に予算を組んでいただけると良いと思います。

もちろん、もっと安いものでも、かなり良い商品はあります。そしてその中に、あなたの欲しいものがある可能性は充分にあります。




大体、自転車買うのと同じような感じです。8000円の自転車は存在しますよ。もちろんそれなりですけど。。
3万円のクロモリは全然クロモリじゃ無い。5万円でカーボンは無い。まともな自転車は、やはりギヤ無しでも7万円はする。ハンドル握った時の剛性が違う。そんな感じです。
明らかに値段の差というものはある。
それは、年間数千着を毎年試着しているから間違いないです。もうどれくらいのものが、どれくらいの値段なのか?というのは、身体が完全に憶えています。


ちなみに、当店で7万で売っているジャケットは、大体15万から20万しているのと同等の商品ですし、コートは、10万のコートは、15万から30万円のクラスと同等の質、カタチのものが多いです。

ここまでいくと、本当にスゴいです。


そして、更にまともだと思うのは、この位のお金を出すと、意味不明な消費はしなくなります。
なぜなら、それを着ることによって日常的な満足感が日々得られるから=消費しないのです)、作る側も、意味不明な労働環境で生産しなくて済みます=まともなお金を払えます。(超大金持ちでも無い限りはということですが。。)
デザインする方も、じっくりデザインに取り組めます。

つまり、全てが良い方向に動き出すはずなんです。



当店の仕入れ基準は、当店の求める品質(というのは、色、カタチ、デザイン、素材感、説得力)を上回っているかどうか?です。


それを上回った商品の中から、お客さんに、まともな値段で提供出来そうなものをバイイングします。


もちろん、全部がその値段するわけではないですし、お買い得品も用意してますけど、生地が素晴らしい商品というのは、少ないながらも存在します。カタチが綺麗な商品もあります。でも、素材が素晴らしくてカタチが美しい商品ていうのは滅多に無いのです。そして、そういう商品は、そんなに安くは売ってないのです。



服は着てみなければ分らない。
料理が食べてみないと分らないように。
服を着ないで見るのは、料理を美味しそうだと眺めているのと同じことだ。

そして、三ツ星レストランの料理に匹敵するような、圧倒的に素晴らしい服でさえ、試着するのは無料である。
バレンシアガだろうが、クリス・ヴァン・アッシュだろうが、リック・オーウェンスだろうが、全然試着オーケーです!!(限度を越えなければ)


買うか買わないかは、着てみてから判断してください。

結局のところ、それを使ってあなたが生きていくかどうか?っていうのが、服を買うっていう事なので。。

ただ、それを知らずに生きていくのは、あまりにももったいない事なんです。
ファッションには、それだけの力があるのですから。

それを伝えるのが、管理人の仕事です。


是非、めくるめくファッションの世界をお楽しみください。
もっと世界が楽しくなります。



contemporary creation+
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by guild-01 | 2013-04-24 16:49 | FASHION