色づく木々と食欲の秋
突然寒くなり、武蔵野の木々も色づき始めてきました。
千川上水沿いなどは、落ち葉が降り積もって晩秋の雰囲気もちらほら。
ついこの前まで昼間は半袖で歩いていたというのに、本日の最高気温は12度ということで、ほとんど真冬なみですね。
そんな今日この頃いかがお過ごしでしょうか?
この時期に目立ってくる黄葉(紅葉)ですが、もっとも早く黄葉する木の一つにヤマイモがあります。
ヤマイモは、木といってもツルだから、どこかの木の上に巻き付いていて、他が黄葉する前に色づくので目立つ。
そこで、こんなところにヤマイモがあったのだ!と気付くわけです。
そんなヤマイモのツルにムカゴ(小さな芋状の突起物)が出来ていることがある。
これをお米と一緒に炊き『むかごご飯』にすると、美味なので、ついつい探す。
もちろん、根っこには山芋の本体がある(掘るのは大変だが。。)
私達が黄葉の木々につい反応してしまうのは、こうした食べ物の採集が数十万年に渡って続いてきたからだろう。
もう一つ、早くから色づく木としてイチョウがある。
そして、イチョウの黄色は、感動的に美しい。
これもまた銀杏の実を食べる木だ。
黄色く色づいたイチョウの木の下には、銀杏の実が落ちている。
そう考えると、私達が木々が黄色く色づくことに敏感なのは、食料調達(つまり生きていくこと)と密接な関わりがあることが分かる。
カエデや白樺の紅葉(黄葉)も綺麗だが、これらは、樹液を取ることが出来る植物だ。
柚子も毎日食べているが、柚子の色も大変美しいものだ。
柚子は葉は常緑だが、実は緑色から黄色に変化していく。
柿は、葉の紅葉も美しいが、実も綺麗なものだ
ちょっと郊外の山里などに行くと、やたらと柿の実がなっている。。
そこで、なぜ日本には甘柿よりも渋柿の方が断然多いか?ということにふと疑問を持った。
食べるためなら、普通、甘柿を増やしますよね?
でも、渋柿の方がずっと多い。
ということは、人々が渋柿の方を大事にして増やしたのだと思う。
調べてみると、渋柿は、青い実を間引いて染料や塗料に使用していたことが分かった。
古民家の柱の色がとても美しいのは、実は渋柿の色で染めていることが多いということも分かってきた。
番傘なども柿渋染めである。
柿渋は、漆と並んで非常に重要な染料だったのだろう。
そして、色づいた実は、干して干し柿にした。
これは、そのまま食べるだけではなく、様々な甘味料として広く使われていたようだ。
筆者は、それに着目して、現在『柿渋コレクション』を様々製作中である。
様々なものに柿渋を塗っている。
by guild-01 | 2016-11-02 18:39 | FASHIONの本質