これからの建築と街並を考える。まず古民家再生を考えてみましょう。

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写真は、長野県茅野市の街道沿いで見つけた蔵 石垣も塀も美しい。



衣食住のレヴェルアップについて考える。家編その2です。

前回は、小屋のムーブメントについてお伝えしました。
http://guild3.exblog.jp/23160699/


その中で、日本における住宅の平均寿命が20年ということもお伝えしましたが、20年というだけあって、そこら中で新しい住宅やビルが建設されています。

ところが、新しくなったのにも関わらず、町並みが前より良くなっていないと多くの場所で思うわけです。

なんで、わざわざお金をかけて、魅力的では無い町並みになっていくのか?

魅力を感じたり、仕事が無いと感じたりするために地方から人々が都会で流出して、どんどん過疎化し空き家になっていくのか?

これは、日本の大きな問題点だと思います。



筆者が様々調べた結果、ほとんどの住宅地では、防火のために表面を木造にする事が出来ないのです。
法律で決まっているのです。

この防火基準は、関東大震災と東京大空襲によって街が焼かれたことを理由に作られています。


日本の建築は、本来、木の建築ですから、その最も重要な木を活かした建築を多くの場所で作ることが出来ないという問題があるのです。

だから、ほとんどの場所で、モルタルか新建材かタイルか、良くてレンガやコンクリートの建築ばかりになっているのです。


筆者が様々な場所を旅して建築や町並みを見て回った結果、素晴らしいと思った街のほとんどは、その土地の素材を利用して作られていました。


その土地の素材を利用しているからこそ、見た目の説得力があるのです。

しかし、日本の多くの建築は、重化学工業の副産物(ゴミ)の再利用によって作られているのです。

そのあたり詳しくは、
単行本『あたりまえの家はなぜ作れないのか』エクスナレッジ を参照のこと



そのために、私達が平均20年しか使われない住宅を30年とか35年ローンで買い続け、どうでもいい町並みを増やし続けているのです。


これは、地方においてもそうで、街そのものに魅力を感じたり、仕事が無いと感じたりするために地方から人々が都会へ流出して、どんどん過疎化し空き家になっています。

特に、地方では、車を前提とした町づくりを行ってきたため、歩行者が移動する=回遊するということを全く考えていない街が多く、国道沿いが派手な看板のチェーン店ばかりになった。

余計に魅力を失っていった。


これをどうするか?

まず、資金を持っている方々に言いたいのは、現在ある空き家・廃屋になった古民家の材料を使って家を建ててみてください。ということです。
古民家再生とか古民家移築と呼ばれているものです。

もちろん、防火の問題をクリア出来ればということですが。

防火地域や準防火地域でなければ、木造でいけますし、防火地域や準防火地域でも蔵の作りを応用する方法があります。

この写真の建築は、防火の問題をおそらくクリアしている建物です。

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写真は、長野県長野市で見つけた店舗



古民家再生は、様々な方々がやっておられますので、既に技術的にもノウハウ的にも確立されたものがありますし、昨今の空き家問題からして、最も有用性の高い方法だと思います。


資金がかかるのではないか?という疑問が当然あると思いますが、古民家再生は、平均すると、一般の住宅の1.3倍のコストで出来るそうです。

一般的な住宅が坪50万円×60坪=3000万円とするなら、古民家再生は3900万円です。

3900万円ですが、これは、素材が素晴らしいので100年保ちます。

しかも、見た目も素晴らしいのです。



良く考えてみてください。

3000万円の家を20年で取り壊すとすると、1年あたり150万円です。

1ヶ月のコストは12.5万円です。

この建築の賃貸を考えた場合、利子などを考慮に入れ、1.3倍の値段で貸し出すとすると、1ヶ月16.25万円になってしまいます。
この数字は、現在の給与体系を考えると、かなりの高額です。



一方、古民家再生で3900万円の家を建てて100年使うと、1年あたり39万円ですよ。
一ヶ月32,500円です。

お金を持っている人は、古民家再生の素晴らしい家を一ヶ月32,500円で所有することが出来るのです。

しかも、古民家は、大家族を前提に作られているために、非常に大きいです。
普通の家の2倍から3倍くらいの大きさが多いです。

住宅オンリーだけではなく、店舗利用なども十分可能になってきます。


お金持っている方は、是非建築していっていただきたいです。

これがあると、街に魅力が増えます。



では、そんな資金無いけどアイデアはあるという方のために筆者が考えついた方法を。


たとえば、市町村が、古民家再生をビジネスや町おこしとして捉えて、3900万円の家を100年で倍の7800万円で回収する計画で建設した場合、1ヶ月あたりのコストは65,000円になりますし、もっと現実的に50年で考えた場合

50年で1.3倍の回収で賃貸したとします。
1ヶ月あたりの家賃は、84,500円です。


50年で1.5倍の回収で賃貸したとします。
1ヶ月あたりの家賃は、97,500円です。

どうですか?


住居兼店舗として考えたら、この数字であれば、地方でもやりたい人は多いのではないでしょうか??


たとえば、市町村が、地元産品の使用率50%以上を条件に家賃を安くしてテナントを募集するとか考えられますよね。


もし、10万円以下で古民家再生建築を借りることが出来たら、様々な人たちが、それを利用して地元の産品を使用したカフェやレストラン、ゲストハウス、物産店、家具店などを経営出来るのではないかと思います。(一階を店舗、2階を住居)

そうした店舗で収益が上がれば、税収になるわけですから街が潤うのです。
地元産品を使っているわけですから、それも地元を潤します。


景観が良くなれば、当然のことながら人を呼ぶことになるので、全てプラスの方向に変わっていくはずです。

観光地として外部から人を引き寄せることが出来れば、それに付随した価値や経済も付いてきますし。

もちろん、以上のことを民間でやっても良いわけです。



ということで、お金のかけかたなのですよね。

ただ闇雲にお金をかけるのではなくて、街を良くするためにコストをかけることによって、プラスの効果を出すことこそが、デザインの意味です。
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by guild-01 | 2015-05-28 20:57 | | Comments(0)

スモールハウス タイニーハウス(小屋)が静かなブームですが、3人で3日間で家を建てた男の話

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写真は、アントニー・レーモンド作 旧イタリア大使館別荘(現在は、栃木県所有)


先日、父親との何気ない会話で、ものすごくびっくりした事がありました。

以下,会話



「俺が最初に作った家は、大工さん二人と3人で3日間で作ったんだよ。」

筆者
「えー!!!3日間で家が出来るの??ていうか、自分で作ったの??」


「出来るよ。奥多摩からトラックに木材と石を積んできて、基礎を石で作って、そこに木材で建てたんだよ。隣で野宿しながら。

屋根は杉の皮で葺いてね。」


筆者
「杉皮って、アントニー・レーモンドの旧イタリア大使館別荘と一緒の技法じゃないか。
よく自分で作れたね。。」

旧イタリア大使館別荘建築レポはこちら
http://blog.goo.ne.jp/mayandjune/e/007623b8a9be547c329149481b8f0d19


「奥多摩の大工さんと一緒に作ったから、その人たちの技法で作ったんだよ。
俺は、いろいろ手伝った感じ。

俺らの子供の頃は、学校で家具とか小屋とか作るのを習わされたんだよ。だから、誰でも作れたんじゃないかな。最初の家作る前にもバラックは建てたことあったよ。」

筆者
「そうなんだ。今の教育って、本当に必要な事は全然習わないからね。」


「家自体を建てるのは、そんなに大変じゃなかったけど、そもそも、この土地が原っぱで何もなかったから、井戸掘るのとか、電気とか、そういうのが大変だったんだよ。
そっちの方が、はるかに時間と金がかかったな。
最初のうちは水がなかったから、近所の家からバケツで水もらってきて、ドラム缶に入れて風呂にしたりしてたし、ランプ生活だったよ。」


筆者
「tvドラマの『北の国から』みたいだね。。
大きさはどれくらい??」


「大きさは、たしか2間×3間(3.6mx5.4m)だったな。」

筆者
「十分な大きさじゃない。うちの店と同じくらい 笑」


「三回建てたんだよ。今、俺が寝起きしてるところが2回目に建てた家で、ここが3回目。
全部自分で設計したよ。
三回建てると、自分の思うような家が出来るって事だな。」

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・


いやあ、びっくりしましたね。。
3日間で家、建つんだ。

しかも、木材の産地の大工と一緒に家建てるって、最も優れた方法のような。。



ヘンリー・D・ソローの『森の生活』に憧れる人は多いですが、こんな身近に3日間で家建てた男が居たとは。。


さて、筆者の仕事は、『衣食住+芸術』の範囲にしようと、学生の頃からずっと思ってました。


なので、服だけじゃなく、料理の勉強も、建築や街作りの勉強なんかも、同時並行でものすごくやってきたつもりです。

なので、いろいろな場所に出かけて、建築とか街の形成の仕方とか素材とか、様々見て回りました。

日本の建築や町づくりの問題点も、様々調べました。



この国の住宅の平均寿命って知ってますか?
なんと20年!なんだそうです。

たった20年で壊されていく住宅。

それなのに住宅の価格は、3000万円とか4000万円とかしますよね。

それを30年とか35年ローンとかで支払うというのが、なぜかこの国の主流なんだそうです。

20年で壊されていくのに、35年ローンって一体どういう人生なんだ。。


しかも、田んぼだったところを住宅地とかにしてるのです。
田んぼのあるところって、普通、増水すると川ですよ。。

でも、皆、分からずに家を買っているんですよね。
で、本来無理なところに家を建てているので、公共事業に100兆円みたいな無理な政策になっていくという。。


そんな中、スモールハウスとかタイニーハウス(小屋)のムーブメントが起き始めているそうです。

もっと、小さくて良いんじゃないの??
もっとシンプルで良いんじゃないの??
という発想です。

一人だったら、最低限2.7mx2.7mの小屋で生きていけますよね。
鴨長明の『方丈記』のような。。
これだと、30万円くらいで製作キット売ってます。
http://www.hokutobussan.com/panelhouse-top/width2700/ph2727
この小屋、なかなかフォルムが綺麗であなどれないです。


二人でも、3.6mx5.4mあれば暮らせるはず。
これだと約70万円


他にも、色々な方法があるんですよね。

空き家も沢山ありますし。リノベーションとか

不動産と言いますけど、家、運べても良いよね。という発想も出てきています。
『モバイルハウス』です。


というわけで、父との会話で思い出しました。
3人で3日で家作れるんだというのは、何が起きるのか分からない時代に、良い意味で生き残る勇気をもらったような気がしました。
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by guild-01 | 2015-05-25 21:20 | | Comments(0)