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ヨハネス・フェルメールに見る光の音楽性とウエディングドレスの関係

今回は、フェルメールを参考にしながら、物質の反射率の違いによる物体の見え方について見ていきたいと思います。




ヨハネス・フェルメール『音楽のレッスン.』 The music lesson. バッキンガム宮殿ウィンザー城(ロンドン) 英国王室コレクション 1662年 74×64.6cm



フェルメールの絵には、シルクやヴェルヴェットがよく使われています。

それに、パンや花瓶なども使われていることが多いです。

実は、フェルメールの絵には白磁の花瓶が登場します。



これは、当時の17世紀のオランダが、東洋との貿易の中心港になっていたために、白磁が入ってきていたのです。

フェルメールの生家はオランダのデルフトにあります。
ここの名物はデルフト焼きという陶器ですが、このデルフト焼きも、実は東洋から入ってきたものが、独自に進化し、こういうカタチになっていったわけです。

このように、フェルメールの絵には、東洋の青磁や白磁の影響が非常に強く見られるのです。

フェルメールブルーはよく知られているところですが、これはラピスラズリという宝石(貴石)を砕いたものです。

これは、青磁に影響されたものなのではないかと思います。



『青衣の女』(せいいのおんな、蘭: Brieflezende vrouw in het blauw)1665 アムステルダム国立美術館






では、『真珠の耳飾りの少女』別名『青いターバンの少女』の印象的な眼と唇、そして襟元の輝きは何でしょうか??




『真珠の耳飾りの少女』(しんじゅのみみかざりのしょうじょ、蘭: Het meisje met de parel, 英: Girl with a Pearl Earring)


それは、白の輝き方の発見から生まれたものではなかったのか?という気がします。

フェルメールの絵に出てくる白は、壁のしっくいの白、それから真珠の白、それに白磁の花瓶の白、それにパンが光り輝いていたり、牛乳が光輝いていたりします。



真珠の首飾りの少女




『牛乳を注ぐ女』(ぎゅうにゅうをつぐおんな、蘭: Het melkmeisje)1657 アムステルダム国立美術館


ご覧のように、日常の様々な場所における白、光の粒が描かれていることが分かると思います。

これらはみな白ですが、当然のことながら、光の反射率が異なるわけで、その光の反射率のアンサンブルこそが、フェルメールの絵をフェルメールたらしめているところなのではないか?という風に思います。



フェルメールの絵は、そういう意味で、とても音楽的です。
バイオリン、ビオラ、チェロ、ピッコロにフルート、様々な波長の音が重なり合ってオーケストレーションをするように、フェルメールの絵もまた、様々な光の波がアンサンブルとなって、物質や人間を浮かび上がらせるわけです。




『手紙を書く婦人と召使』(てがみをかくふじんとめしつかい、蘭: Schrijvende vrouw met dienstbode、英: Lady Writing a Letter with her Maid)1670-1671
ダブリン アイルランド国立美術館



フェルメールの絵に、音楽の風景が度々登場するのも、偶然では無いのだと思います。



恋文 1669-1670 アムステルダム国立美術館



フェルメールの時代は、近代絵画の完成と共に、近代音楽の芽生えの時期でもあったのです。


筆者は、この光のアンサンブルを、ウエディングドレスの撮影の時に見出したわけです。

真珠(スワロフスキー)の輝き、それと波長の異なるチュールの輝き、そして襟元のサテンの輝き、内側のシルクが放つ輝きと、外側のレースが通す光、レースの附属がきらびやかに放つ光、ヴェールの淡い光。。


窓から入ってきた光は、漆喰の壁を照らし出し、その反射光を受けたドレスは、淡く輝き出し、その光が再び空間や壁を照らし出す。

それは、白い光のオーケストレーションでした。










この記事は、2012年の記事に加筆修正したものです。


以下の展覧会は終了しました。

また、機会のある時に是非見ていただけたらと思います。

上野の東京都美術館
リニューアルオープン記念「マウリッツハイス美術館展 オランダ・フランドル絵画の至宝」
2012年6月30日~ 2012年9月17日

http://www.tobikan.jp/museum/2012/mauritshuis2012.html




 東京都美術館のグランドオープンを飾る「王立絵画館」の名で世界的に知られるオランダ・マウリッツハイス美術館のコレクションの数々。
公式ページ
マウリッツハイス美術館展 オランダ・フランドル絵画の至宝
www.asahi.com/mauritshuis2012/
















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by guild-01 | 2013-10-31 16:02 | ウェディングドレス | Comments(0)

ウエディングドレスとアートの関係 ウエディングドレス研究その1





ウエディングドレス研究から。



当ブログ筆者の本業は、アート×服飾です。

基本的にアート系なので、巷にあふれるウエディング関係のビジュアルの雰囲気に耐えられないことが多いです。

とってつけたかのような高級な(偽物な)雰囲気が、美的に理解出来ないものがかなり多いのです。


だから、センスのある人達、美や建築やアートに興味のある人達が、ある種結婚式というものを、あまり見たくない対象にイメージしてしまっているんじゃないかという気がするのです。


でも、筆者はウエディングドレスの撮影に携わるようになって、実はそんなことは全然なくて、ウエディングドレス、そして結婚式はアートなんだと思うようになりました。






アートといっても様々な要素があるわけですが、筆者が一番好きな絵画の時代は、17世紀のオランダ絵画です。

フェルメールとかレンブラントの時代です。


ヨハネス・フェルメール『音楽のレッスン.』 The music lesson. バッキンガム宮殿ウィンザー城(ロンドン) 英国王室コレクション 1662年 74×64.6cm



レンブラント・ファン・レイン『夜警』アムステルダム国立博物館



筆者は、美術館に関しては欧州中を巡って数十万枚の絵画を目に焼き付けてきたのですが、その当時の絵画に関しては、本当に様々研究しました。


この頃の絵画がなぜ特別なのか??

それは、それまで教会の権威のために描かれていた宗教画が、日常の中に特別な美を見出すようになったことにあると思うのです。


絵画そのものが、通俗に墜ちないままに、日常を非日常化し、神聖にしたのが、17世紀のオランダ絵画だったと思います。

ウエディングドレスを撮影していて思い当たったのは、そうしたフェルメールやピーテル・デ・ホーホ、あるいはその後に出てきた北欧の画家ウィルヘルム・ハンマースホイなんかに通じる『トクベツな感じ』というのが、見えてきたということなんですね。


ピーテル・デ・ホーホ《幼児に授乳する女性と子供と犬》(サンフランシスコ美術館蔵)




ウィルヘルム・ハンマースホイ「室内、ストランゲーゼ30番地」1901年 ハノーファー、ニーダーザクセン州博物館


そういう『トクベツな感じ』をウエディングドレスと結婚式を使って、皆様にお見せすることが出来るのではないか?と思えてきたのです。








ということで、様々な角度からウエディングドレスについて研究していきたいと思います。


まず、様々な角度からということで、ウエディングドレスを上から見ていきたいと思います。(そういう問題か!?という話もあると思いますが。。)


建物によっては吹き抜けの場合があります。
そこで階段を利用して上から撮影したものです。

こうして上から見ると、ちょっと非現実的なミニチュアのようにも見えますよね。





上から撮ると、壁のテクスチャーと床のテクスチャーの違いが反映して、とても面白い表情になると思います。



このドレスを着てくださった花嫁の方は、ちょっと小柄な方でしたので、デザイナーのmが、胸元のポイントを上にしたエンパイアシルエットのドレスにデザインしました。



普通、上から撮影すると足が短く見えるものなんですが、上から見てもバランスがとても綺麗ですよね。


それから、肩を出したドレスは、胸元の曲線がすごく綺麗に出るなあという印象です。




いやあ、ドレス美しいですね。

そして、ドレスに反射した光、ドレスの内部に蓄光した光が、回りの空間に反映していく感じがたまらないですね。


というわけで、これから数回に渡って、様々な角度からウエディングドレスの魅力たっぷりとお伝えしながら、ウエディングドレスについて様々研究してゆきたいと思います。




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by guild-01 | 2013-10-30 16:50 | ウェディングドレス | Comments(0)

aiko szkiのガマグチネックレス ビーズバージョン 

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aiko szkiのガマグチネックレスです。

建築とは構造物(constructure)なのか空間(void)なのか?という議論がありますが、このネックレスは、ガマグチなので内側に空間があります。

けれど、財布として機能するほど大きくはなく、あくまでもアクセサリーなのです。

とはいっても、その中にアクセサリーを入れておくことも可能です。
そうすると、入れ子構造になり。。


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是非どうぞ。


こうしてみると、生き物のようにチャーミングですね。


ガマグチネックレス 

ビーズのガマグチネックレス 9,800yen(レインボーカラーと、グリーン)




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アクセサリーデザイナー
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ガマグチネックレス
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by guild-01 | 2013-10-29 18:13 | aiko szki | Comments(0)

aiko szkiのガマグチネックレス SILVER&BLACK

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建築とは構造物(constructure)なのか空間(void)なのか?という議論がありますが、このネックレスは、ガマグチなので内側に空間があります。

けれど、財布として機能するほど大きくはなく、あくまでもアクセサリーなのです。

とはいっても、その中にアクセサリーを入れておくことも可能です。
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な〜んて難しいことを考えても、考えなくても楽しめるアクセサリーシリーズです。

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こうしてみると、生き物のようにチャーミングですね。


ガマグチネックレス 11,000yen


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by guild-01 | 2013-10-29 18:08 | aiko szki | Comments(0)

amimono by Helga Isagerの、ハンドメイドニット バターカップカーディガン

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amimonoという名前のブランドが北欧のデンマークにあります。
その名の通り、手編みで作るニットです。

品質も、質感も、着心地も、本当に素晴らしいニットです。


Buttercup Cardigan / 75%Merinowool 25%Kid Mohair
Hande kintted in Skiranka and Denmark
price 53,550yen(51,000)


designer / Helga Isager
デンマーク生まれ、コペンハーゲン大学在学中に日本に留学し、日本の文化に大きな影響を受ける。大学卒業後、Helgaの実姉であり、北欧のトップブランドの位置を確立している>munthe plus simonsenのアシスタントデザイナー、JULIEN MACDONALD(元GIVENCHY)のニットを担当。2005年独立し、コペンハーゲンにショップを構え、コレクションを発表している。

www.amimono.dk



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by guild-01 | 2013-10-27 18:55 | amimono | Comments(0)

アクセサリーコーナーとオートクチュール(オーダーメイド)のウェディングドレス

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店内改装により、アクセサリーコーナー充実しました。

ステンレスのテーブルは、DIYで棚をつけました。
現在は、色とりどり、素材いろいろのストールが並んでいます。



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オートクチュール(オーダーメイド)のウェディングドレスもよろしくお願いします^ ^


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by guild-01 | 2013-10-24 17:48 | ウェディングドレス | Comments(0)

ファッションの本質を探るワークショップ その5 東西の交流で発達する衣服やデザイン、そして文化



写真は元JIL SANDER のデザイナー uemulo munenoli ブラウス『Linea 』
日本のデザイナーも、こういう表現をする時代が来たのかと感慨深い一枚です。



ファッションの本質を探るワークショップ その4 自分の中の何かが変化するような服
http://guild3.exblog.jp/21219166/
のつづき

ccplus
「着出すときりがないんだけど...笑 これはRICK OWENSのロングカーディガンなのですが、これは上半身と下半身の素材が違うんですよ。で、下半身が身体にまとわりつくような素材で作ってあるんですね。だから、歩くと下の部分だけが身体に張り付いてセクシーな印象になります。もう計算されつくした素材と構造です。パリコレの一流デザイナーの服っていうのはやっぱりスゴいんです。」



竹田
「ほんとですね!」

注 RICK OWENS(リックオーウェンス)
パリコレには珍しいカリフォルニア産まれの異色デザイナー。ストリートと
ラグジュアリーの境界を走る人気デザイナー。かのヴィオネやグレといったバイアスカットの魔術師達に影響を受けた彼のカッティングは美しい。




ccplus
「これはSTEPHAN SCHNEIDER のワンピースです。和服にインスパイアされた服ですね。」

注 STEPHAN SCHNEIDER (ステファンシュナイダー)アントワープ王立アカデミー出身。ひねった解決法で作ったリアルな服で人気のデザイナー。プリントもカッティングも独特かつ、とても美しい。



(竹田ワンピースを着る)



竹田
「ほんとだ!和服っぽいですね。でも可愛いです。不思議な作りですね。」


ccplus
「パッと見ただけでは全然分らないんです 笑 着ると、いろんなところがスゴいことになっている。笑」



竹田
「私、なんて言うか、こういうデザイナーズブランドの服を着ると、もっと、いかにもファッションっぽい感じになってしまうのかと思っていたんですけど、なんだか全然違いますね。」


ccplus
「でしょ!?ここに置いてあるのはベルギーのデザイナーのものも多いんですけど、ベルギーってほとんど流行とか無いんですよ。ずっと似たようなシックな服か、もしくは変わった服なんですね。ショップとかも同じお客さんに向けて、その人の趣味とか体型にあったずっと同じような感じの服を売っていくっていうことが多いんです。そこは、モードの中心地パリから2時間くらいの位置関係というのも関係しているかもしれません。ほどよく流行から離れているんです。だからいかにもファッション的な嫌らしさが少ないと思います。
それに案外、和服っぽいでしょう!?」



竹田
「ほんとですね、なんかしっくりきます。」



ccplus
「ベルギーのデザイナーは、コムデギャルソンとか日本のブランドの影響を受けたっていうこともあるのですが、そもそも、アントワープっていう都市は、16世紀に東洋との貿易で栄えた都市なんですね。日本とか中国とか朝鮮の生地とか陶器、磁器や家具などを輸入して、アントワープからヨーロッパ各地に商品を輸出していた中心地なんです。だから、街中に東洋のアンティークを売る店がいっぱいあったりするのです。

ほとんど誰も指摘していませんが、北部ネーデルランド出身の世界的な画家、レンブラントとフェルメールは、それぞれ東洋の陶器や磁器の影響を受けて、自身の画風を完成させたのだと思います。
テクスチャーがそっくりですもん。
千利休とレンブラントの関係なんて調べたら、きっと思いもかけない面白いものが見つかると思いますよ。
現在、アントワープのデザイナーとかは、レンブラントやフェルメールに近いことをやっているのかもしれません。

それと同時に、現在日本では、千利休や俵屋宗達みたいなことをやっている人達が居るということなのかもしれません。」

後注
その後、アントワープでは、日本人のデザイナーが、DRIES VAN NOTEN , ANN DEMEUL MEESTER , HAIDER ACKERMANNなど多くのメゾンでデザイナーとして働くことになった。

そして、欧州のメゾンで活躍したデザイナー達が、日本に帰国し、自分自身のレーベルを立ち上げる機会も増えている。

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写真は、メゾン マルタンマルジェラ出身のデザイナー、小野智海氏による『名前の無いブランド』のコートです。
68,250yen(65,000)


(竹田 試着を終えて出てくる。)


竹田
「ありがとうございました。服ってほんと面白いですね、今まで気付きませんでした。」


ccplus
「そうですね、服っていうのは奥深くって面白いのでやめられない。だから今に至ってる感じです。」


後記

私たちが、普通に『東洋』だと思ったり『西洋』だと思ったりしているものって、実は、必ずしも、そうでもないのですね。

ずっと昔から相互に影響を与えている。


筆者が、それを一番感じたのは、ポルトガルに行った時に、首都のリスボンで、ポルトガル人が道ばたで『七輪でいわしを焼いている』のを見た時です。

この経験は、かなり衝撃的で、筆者の世界観を変えたといって良いと思います。

ポルトガル人は、日本に鉄砲をもたらし、結果的に戦国時代を生んだわけですが、日本人がポルトガル人に与えたものは、『七輪でいわしを焼く』ということだった。


おそらく、ポルトガルの人にとって、『七輪でいわしを焼く』というのは、現在では、ごく普通のことになっていると思います。

それは、
ポルトガルで、普通にイワシが取れる。
七輪でイワシを焼くと美味しいとポルトガル人が気付いた。
七輪の炭を生産し続けても、森林が枯渇しない気候だった。

という三拍子がそろっていたから、これがポルトガルの『文化』になったということです。


これが、乾燥していて、森林が少なく、なおかつ魚の穫れない隣のスペイン内陸部だったとしたら、全く定着することは無かったでしょう。


皮肉なことに、近代化によって『七輪でいわしを焼く』という行為は、私たちにとっては『非日常』になってしまいまいたが。。

その一方、日本に戦国時代をもたらした『鉄砲』を銃刀法によって葬り去ったのもまた、日本人の知恵だったと思います。


やはり、人を幸せにするような文化交流をしていきたいですよね。


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写真は当ブログ管理人も開発に携わった日本のブランド『gare』の袖まくりブラウス。
メンズの大きいシャツを縮めてレディースの半袖ブラウスにした1点ものから、パターンを起こし直したもの。
後にアントワープのデザインデュオ A.F.VANNDEVORSTが真似して作ってます。
27,300yen(26,000)




日本と欧州は、梅雨から夏にかけては別として、春・秋・冬の気温は、良く似ています。

植物の植生も、概ね落葉樹林帯なのは、西日本の一部や東日本も同じです。

着る衣服の質が似ていくのは、ごく当然のことだと思います。

(夏は、独自の視点が必要だと思いますが。。)


なので、欧州の衣服文化が、日本に影響を与え、日本の衣服文化が欧州に影響を与えていくのは、ごくごく自然なことでしょう。



筆者は、似たような気候と物価と文明を持つ欧州では、なぜ現地の素材で作った家や暮らしのシステムが今なお存続していて、日本では、それらがどんどん失われていったのか?

なんで、わけの分からないチープな新建材の家やプレハブやモルタルの家が、どんどん作られていったのか?ずっと考えてきたのですが、それは、また次回へ
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by guild-01 | 2013-10-22 16:49 | FASHIONの本質 | Comments(0)

ファッションの本質を探るワークショップ その4 自分の中の何かが変化するような服

写真は、ANGELO FIGUSのドレス
希少品 

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『ファッションの本質を探るワークショップ その4 自分の中の何かが変化するような服』



ファッションの本質を探るワークショップ その3 土地が産み出すファッション 『衣服の生と死』
http://guild3.exblog.jp/21018811/

のつづきです。


竹田
「そうですね、じゃあ東京はファッションが楽しめる土地なんですね。でも私、全然ファッションを楽しんでないです。」



ccplus
「じゃあ楽しんでみますか?試しにこのBALENCIAGAのジャケットの腕に手を入れてみて下さい。」

注 BALENCIAGA(バレンシアガ)
フランスの老舗ブランドで、現在世界で最も注目を集めているデザイナーの一人、ニコラゲスキエールがデザインを手掛けていた。(当時)2006年にはパリ装飾博物館で大規模な回顧展が行われた。洋服業界の誰もが憧れる、パリコレのトップブランド。

(竹田ジャケットの袖に腕を通す)



竹田
「え、なんですか、これ?ものすごく気持ちいいです!」


ccplus
「これがパリの老舗メゾンの本当のスゴさなんですよ。着心地がわけわからなくスゴいんです。気持ちいいというより官能的でしょ。」



竹田
「ほんとです、これは快楽ですよ。麻薬みたいに抜けられなくなりそう。なんか知ってはいけない世界のような気がします。」


ccplus
「ま、おいそれとは買える金額ではないから、大丈夫といえば大丈夫のですけどね 笑」


竹田
「ちなみに、この辺のジャケットはいくらくらいするんですか?」


ccplus
「普通はジャケットで15万から20万くらいかな。もっともそれは半額で売ってますけどね。」


竹田
「...全然知らない世界があるのですね。」


ccplus
「そうですね、ふつうの人はこんな服着てみる機会がないから分らないと思うんですが(笑)こういう服を着ると、自分の中の何かが立ち現れてくるような気がします。なにかが目覚める服みたいな(笑)
じゃあ今度はAnnemie Verbekeのニットを着てみますか?」


注 Annemie Verbeke(アネミーベルベッカ)
ベルギーのブリュッセル派を代表するデザイナーで、特にニットのコレクションが素晴らしい。2006年ベルギーはブリュッセルモードがイヤーテーマで、ブリュッセルのカンブル校の先生である彼女がスポットライトを浴びた。


竹田
「ニットは大好きです。でも、いつも全然似合わないんですよ。店員さんていつも”お似合いですよ”とかしか言わないじゃないですか?
で、似合ってるんじゃないかと思って買って、あとで写真見たりすると全然似合ってないじゃないかと思ったり..」


ccplus
「僕は、本当に似合わない時は、あまり似合わないから、他のにした方が良いってお客さんにわりとハッキリ言いますけどね。変わった服屋なので」
、僕が売る前に言った方が、買ってから周りに非難されるより全然いいと思うのですが。。
洋服は、自己満足が大事ですけど、客観的にバランスが良いとか悪いとかは、確実にありますから。


(竹田ニットを着る)


ccplus
「着ると全然違うでしょ?どうですか??」


竹田
「えー、こんな風になっているんですね。見ただけだと本当に全然分りませんね。でも、なんか似合わない気がする。」


ccplus
「そうですね、じゃ、こっちの方はどうですか??」


竹田
「では着てみます。」


(竹田ニットを着て出てくる)


ccplus
「あー、こっちの方が似合いますね。ほらフロントがクシャクシャっとしていたり、ここがふくらんでいたり、絞れていたりするでしょ。」


竹田
「ほんと、服って立体なんですね。着ないと全然分らない。私、今まで全然試着しないで買ってたりしたんですよ。」


ccplus
「それは駄目でしょ。基本的に試着させてくれない服屋は問題外だと思いますよ。服は着てみないと絶対分らないですから。
バイヤーの僕でも、見ただけではよく分らないものがいっぱいあるくらいだから、まして一般の人が分るわけないですよ。」



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写真はTAKIZAWA NARUMIのライダースモチーフブルゾン 71,400yen
究極のアール構造が面白過ぎかつ美しいです。



竹田
「でも、試着させてくれない店いっぱいありますよ。」


ccplus
「白い服とかシルクとかオーガンジーとかを興味本位で試着されると困るけど、他は全然問題ないはずですよ。
服は立体だからこそスゴいし、面白いんですよ。
僕も服というものを真剣に考えなかったら、立体というものがうまく理解出来なかったかもしれないと思う。
元々絵が好きだったし、二次元系なんですよ。」



竹田
「二次元と言ってもアニメ好きの二次元とは違う二次元ですよね?笑」


ccplus
「もちろん、アニメも好きなことは好きだけど、それとは違う二次元です。笑
ふつう、絵とかって平面的に捉えるじゃないですか、視覚的に。。遠近法みたいなのはあるにしても、ということですが。でも、服っていうのは、それだけじゃなくって、三次元なんですね、立体なのです。そして、着心地とか動きとか、他にも様々な要素を併せ持った一つの『宇宙』みたいなものなんだと思うんです。」

竹田
「そういえば、このニットも、スゴく着心地が良いです。」


ccplus
次のニットもイタリアのエキストラファインの柔らかいニットです。これはカタチが面白いんです。」


(竹田ニットを着る)



竹田
「えー、何だろう。これはさっきのと全然違いますね。こういうデザインって見た時は絶対に似合わないと思ったけれど、着てみるとなんだか嬉しくなります。
動きたくなりますね。」



ccplus
「これはスゴく似合ってますね。さっきのと全然違うでしょ。これはわざと余分な部分を作っているんですね。動きによって布が動くんです。だから動くのが楽しい。」
せっかくだから、下もA.F.VANDEVORSTのスカートを履いてみてください。」

注 A.F.VANDEVORST(エーエフヴァンデヴォスト)
パリコレに旋風を巻き起こしたベルギーアントワープの第二世代を代表するデザイナー。ヨーゼフボイスに影響を受けたインスタレーションで衝撃的なデビューを飾った。2005年にはアントワープモード美術館で大規模な回顧展を行った。

(竹田スカートを履く)



竹田
「これも、とても面白いですね。」



ccplus
「このスカートは、後ろの部分に布が沢山畳まれて付いているんですね。だから後ろに重みがあるんです。着た感じがなんか違うでしょ!?」



竹田
「はい、なんか違和感があります。」


ccplus
「これは、わざと何かを付け加えることによって、何かを感じることが出来るようにデザインされているんですよ。」



竹田
「服を着ることで、自分の中の何かが変化するような気がします。
そんなこと今まで全然考えたこと無かったです。
私、コスプレとかは好きじゃないんですよ。でも、これはコスプレとは違って、別のものに変身するというよりも、何か自分の中の未知なる部分が出てくるような気がします。私、冒険とかにすごく惹かれるので、そういう感じに近いのかな?
えー、ほんとに洋服着るのって楽しいですね!」


写真はマルタンマルジェラのドレス (本文中のニットではありません)
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ccplus
「そう言っていただけると嬉しいです。じゃ、こんなのはどうですか?MARTIN MARGIELAのビッグシルエットのニットです。」

注 MARTIN MARGIELA(マルタンマルジェラ)
ベルギー、アントワープを代表するスターデザイナー。20世紀後半において最も重要なデザイナーと考えられることが多い。エルメスのチーフデザイナーとしても活躍していた。
現在は、マルタンマルジェラブランドのデザインは行っていない。

(竹田ニットを着る)



竹田
「これは素材は何ですか?」


ccplus
「コットンですね。」



竹田
「気持ちいいですね。でも、これは楽過ぎて、動きたくなくなってしまいます。外に出たくない感じです。


ccplus
「服の素材やカタチによって、人間はアクティブになったり、リラックスしたり、様々なんですよ。」



竹田
「ほんとですね、服によってこんなに違うとは思わなかった。」



続きます
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by guild-01 | 2013-10-20 14:25 | FASHIONの本質 | Comments(0)

ファッションの本質を探るワークショップ その3 土地が産み出すファッション 『衣服の生と死』

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写真はMARTIN MARGIELAのアーティナザルのドレス
2000年代前半、マルジェラがデザインしていた頃の稀少品です。
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ファッションの本質を探るワークショップ その2『ウールの話・ニットの話』
http://guild3.exblog.jp/21208024/
のつづきです。




竹田
「そうなんですか。場所といえば、洋服のブランド名のところにPARIS とかLONDONとかって入っているの多いですよね?他のプロダクトでは、地名が入っているものはあまり見かけないのですが、なんでなのでしょう?」


ccplus
「PARISと入っているのは、基本的にパリコレに参加してるブランドが多いんですが、もちろん売るためということもあると思いますけど、



ーーーーーー土地が産み出すファッションーーーーーーー


ファッションというのは土地と結びついていると思うんです。
パリコレにはパリコレの、ロンドンコレクションにはロンドンコレクション、ミラノやニューヨークや東京にも、それぞれ独特の空気というか切り口があると思います。
ファッションは土地抜きには語れないと思うんですね。

(後注 当ブログ管理人が作っている服も、やはり武蔵野の強い影響を受けてます。
ここに米軍の爆撃を受けていない昔ながらの日本の街や自然が残っていたとしたら、もっと全然違う服を作っていたかもしれません。)


たとえば、中東の砂漠地帯でイスラム教の人が着丈の長い白装束を着て、頭にターバン巻いたり、女の人はスカーフかぶってたりしますよね。
これは、元々砂漠の強烈な日射しから身を守るために白い服やターバンやスカーフを着ているということと、風通しをよくするためにゆったりした長い服にしているということがあると思うんですね。

世界中で宗教対立みたいなことが言われていて、民主化や自由や様々なことが言われて爆撃まで起きた最近です。

でも、イスラム教の主流な人達が居るような砂漠地帯で、イスラム教の戒律に従った全身白装束の人と、自由で民主的な服装のたとえばタンクトップに短パンの人が強烈な太陽の下に居たとしたらどうなると思いますか?

イスラム教の白装束の人は強烈な日射しから全身を守ってくれる白装束があるから助かると思うんです。そして自由で民主的なタンクトップに短パンの人は日射病にやられて死んでしまうかもしれません。


つまりこういう状況ではイスラムの戒律の白装束は『生死に関わる重要な問題』なんだと思うのです。
イスラムの土地のような場所では全身の白装束は『生死に関わる重要な問題』だからこそ厳しい戒律になったと思うんですね。
その戒律が作られた背景には重要な意味がある。

だから、人権擁護派の民主的な人達が厳しい戒律を押し付ける人達のことを、この場面では絶対悪だなんてとても言えないということが判ると思うんです。


ただ、だからといってイスラム原理主義の過激な人達が正しいのか?というと、そうでもないと思うのです。


イスラム教は世界宗教ですから、地域地域で環境が全く違います。
たとえば、砂漠にあるイラクと、熱帯雨林の広がるインドネシアでは環境が全く違うので、当然同じイスラムといっても全く違う宗教になってしまいます。


おそらく、中東のイスラム圏での白装束は、元々日射しに対して弱い遺伝子を持った白人=アーリア人種が、移動したのか、自然破壊で森が無くなってしまったのかは分らないですけど、住むことになった土地での過酷な日射しから身を守るために産まれたのだと思います。
その証拠にブラックアフリカでは、日射しに対して抵抗力の強い黒人達が全く違うアプローチ(皮膚に泥を塗るなど)をしています。
条件(遺伝子や環境)が異なれば、対応すべきアプローチは全く違うものになるわけですね。


欧州では、顔を隠すスカーフを認めるか認めないか?という問題に発展していますが、これにしたってやはり、最初は中東の容赦ない日射しから身を守るための戒律だったものが変化して『文化』や『宗教』になった。
それを民族的、宗教的なアイデンティティとして、異なる環境の元でも押しつけようとするから、おかしな対立とかに繋がっていくのだと思います。


強烈な日射しでは無い場所で、髭を生やそうが、スカーフをかぶろうが、それはもう『生と死の問題』つまり必然的な問題ではなく、趣味の問題になっていくわけですね。
それはもう、『生と死』のレヴェルではどうでもいいことです。
『生と死』のレヴェルでどうでもいいことを、『生と死』のレヴェルに引き上げて法律で罰する罰しないという対立を煽ろうというのは、とても愚かなことだと思います。
もちろん、趣味で着る分には、全く構わないと思いますよ。
でも、それを他者に押し付けるのは違うのではないかと思います。



衣服が産まれた背景の奥底にあるものは、その環境と人間にとって、必ずとても意味があるものだったと思います。
ただ、それがその土地を離れてしまって、たとえばヨーロッパにイスラムの住民が大量に移民したりしてますけど、そこでイスラム式の正しさみたいなものを主張し始めると、様々な衝突が産まれてくると思うんですね。
イスラムの服の正しさは、その場所の中での必然だった、つまり生と死の問題だった。でも、違う場所で語られているのは外面的なファッションでしかないし、自分の記憶とかアイデンティティを繋ぎ留めるための道具になってしまっているんですね。
もちろん、それはそれで大事なことだとは思うのですが、自分や他者の死をかけて争うほどのものではないでしょう。



衣服のことは、表面的なファッションのレヴェルだけで語ってはいけないと思います。
服っていうのは本来、その服を着ることによって生きていけるようにする道具ですよね。
そして、やはり、その環境がもたらす光とか風とか皮膚の色とか、色々ありますけど、そういうものが一番しっくりとくるものを、一番多くの人達が美しいと言うように思います。
もちろん、例外はあるし、それはそれで大事なのですけれど。



竹田
「じゃあ、どの場所が、いわゆる『ファッション』を楽しみやすいとかはあるのですか?」

ccplus
「やっぱり極端に暑いところとか寒いところではない場所だと思いますよ。イスラムの土地ではないですけど、極端な気候の土地では、それしか着れないようになってしまうし、南太平洋とかタイとかだと、ファッションなんてどうでもよくなってくるでしょ?暑くって。」


竹田
「そうですね、もう服が邪魔ですね、考えたくもない感じです。足元もビーサンとかでいいし。」

ccplus
「でしょ!?だから、そういった場所からはファッションは発信されにくいですね。もっとも、タイはシルクの生地が有名ではあるんですけどね。
逆に北極圏とかだったら、もう毛皮とかダウン以外着れないし、生きていけない 笑」


竹田
「そうですね、じゃあ東京というか日本はファッションが楽しめる土地なんですね。」

ccplus
「そういうことです。」



つづきます。
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by guild-01 | 2013-10-20 14:21 | FASHIONの本質 | Comments(0)

ファッションの本質を探るワークショップ その2『ウールの話・ニットの話』

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写真は、カシミヤ、シルク、アルパカ、ウール、オーガニックコットン、レザーなど様々な素材の組み合わせによるウインドーディスプレー


ファッションの本質を探るワークショップ その2『ウールの話・ニットの話』

ファッションの本質を探るワークショップ その1 ファッションとは何か?
http://guild3.exblog.jp/21194906/

のつづき



では、ニットについて説明しましょう。
このニットを見てください。
これは僕が実際に8年間着ていたもので、こちらが16年着ていたものです。で、こちらが新品。16年のはともかくとして、8年のものはほら、全然見分けがつかないでしょ。」



竹田
「ええ!!16年のでも新品みたいですよ、スゴいですね、これ。私欲しいかも!」


ccplus
「残念ながらメンズしか無いのですが、ほんとにヘビーローテーションで着てたから、述べ日数で500日とか1000日とか着てたものですよ。
これがイギリスのほんとにスゴい丈夫なニットなんですね。

(後注 もっとも、固くて着心地がそれなりなので、最近は出番が減ってますが。。)


イギリス人は伝統的にこういった毛織物製品を一生使うということがあって、下手すると孫の世代までなんて話もあるんですね。
それは毛が貴重だからということもあると思うんですけど、イギリスは羊の生産地なので、羊がいかに環境を破壊するか?知っているということもあるんじゃないかと思います。
というのも、羊は草の芽を全部食べてしまうので、牧草地にしたところは森にならないんですよ。
湿度が高くて恵まれた環境なのに森が少なくて草原ばかりという環境は、羊を飼うという行為がもたらした人為的な環境なんですね。
ヨーロッパに森林が少ないのは、産業革命が起きるのが早かったせいもありますが、羊を飼うという中央アジアの遊牧民の習慣みたいなのが導入された影響も大きいのではないかと思います。

言い換えれば、キリスト教でいう『原罪』みたいなものが羊によって、もたらされたということかもしれません。


一方で、日本は家畜を飼う習慣が無かったので森林が多く残されたということがあると思います。
大体ヨーロッパの30%は森林で、日本の場合は70%が森林になっているはずです。

日本の生地は伝統的に絹と木綿と麻が基本ですよね。
だから毛織物文化みたいなのが育たなかった。
それが、明治維新で英国の支援を受けた勢力が政権奪取しちゃったので、なんとなく文明開化とか言って、イギリス式の洋服が国策として奨励されるようになったし、第二次大戦後はアメリカの実質的な支配下になってしまったので、アメリカ式の服とかを着るようになってしまったけれど、そもそもそういったものは、全て後付けなんですね。


だから、そういう背景無しに、日本人が毛織物を表面的なファッションとして安直に消費していくことにすごく抵抗があるんですね。
日本では羊を飼っていないから環境が保たれていて、それを享受しているのだけれども、同時に他国の環境を破壊していることに無自覚なのですから。
最悪でしょ!?

(後注 何を隠そう、当ブログ管理人は、ウール大好き人間です。カシミヤ触っているだけで幸せ^ ^)


元々日本を含めたアジア圏というのは、竹や麻の文化みたいなのがあったと思うんです。それらは草なので、直ぐ生えてきて使えますよね。
そして、刈るとまた生えてくる。その繰り返しです。
だから使い捨て文化みたいなものが誕生したのだと思うのです。
もちろん作るの大変だから長く使おうということはあったのかもしれませんが、現在のように生産が世界規模になって世界中の様々な素材を利用した状況で、その使い捨て文化だけを受け継いでいくっていくことは、どうなんだろう?と思います。」


竹田
「そうですね、そんなこと考えたことも無かったです。単純に大量生産大量消費が悪いっていうことは頭にあって、そういうものは買わないようにしようとかは思ってたんですけど。。
でも女の人って基本的に毎年服を買い替えたりするじゃないですか?」



ccplus
「まだ着れるのにデザインが古くなってしまうから、使えるものをしまって新しいものを買ったりしてますよね。それはアパレルの側に立つと嬉しいことなんですが(笑)
でも、どうせ短期間しか着ないのならば、安くてそこそこの品質で、デザインが今風ならいいみたいな流れが出来てしまっていると思うんですね。
そうなると、結局質自体も落ちるし、デザインのレヴェルも落ちてしまう。短期間で答えを出さなければならないからです。そうすると、結局のところ、それほどたいしたものをみんな着ていないという状況に結局なっていってしまってるような気はします。

(後注 自分が着たいものを着たいだけ、着れるのが、まともな世の中だと思います。
ただし、服にはバランスというものがあるので、バランスのために、一時的にタンスの肥やしになることはあり得ます。良い服だからといって、それ単体で良い装いにはならないところが、ファッションの難しさであり、面白みでしょう)



日本は世界的に見ると、平均的にはものすごくファッショナブルだと思うんですね。でも、ハッと振り返りたくなるような素敵で魅力的な人を見かけることは少ない。
フランスやベルギーの平均的なファッションセンスは、それほどでもないですが、振り返りたくなるような人は結構居ます。それも大人の女性に多いんですね、それが大きな違いかもしれません。

ただ、まあ最近は大手のチェーン店が、日本と同じように流行を仕掛けているので、段々日本に近くなってきた部分はあるかもしれませんけれど。。」



ccplus
「ウールというのは、それを飼う段階で必然的に環境の激変を伴うんですね、それはしょうがないと思います。

環境を激変させた一方で、羊やヤギを家畜とした生活は、それまで住むことが出来なかった荒れ地での生活を可能にし、素晴らしい乳製品や毛織物の文化を生み出したわけですから。


どんな生物でも、環境を変えながら生きています。
その生態系が保たれているなら、それはそれで良いのではないかと思えます。


オーガニックコットンは地球に優しいみたいなことを思っている人は多いかもしれないけれども、農薬とかそれだけの問題でもないんですね。

(後注 モンサント社に代表される、農薬と遺伝子組み換えの種という重大な問題もある)


コットンの問題は、やはり人為的な問題が大きいと思います。
コットン生産で一番問題なのは、これはソ連で起きたことなんですが、社会主義=共産主義の勝利のための計画農業とか言って、カスピ海の水を灌漑用に使って用水路を作り、一帯で大々的に綿花の栽培を始めたのです。


乾燥地帯というのは、日照が多いので、水さえあればいくらでも作物が栽培出来るのです。
だから、最初のうちは大量の綿花が採れました。それがソ連の勝利と盛んに宣伝されたわけですが、やがてあたり一帯に異変が起きていくのです。


まず、周囲の村の井戸が涸れ、やがてカスピ海の水位がどんどん下がっていきました。そして、綿花を栽培していた場所には、塩が浮き出てきて、栽培が出来なくなっていきました。塩害です。
塩害は、水位の下がったカスピ海でも起りました。
周囲全てで、もはや、いかなる作物の栽培も出来なくなり、村がゴースト化していったのです。


これは、ソ連という共産主義の体質が生んだ悲劇ということでもないようです。なぜなら現在、インドでも同じようなことが起りつつあるようですから。

(後注 生態系を無視して効率を求め過ぎることに、悲劇の本質があると思われる)




ただ、環境環境ということばかりを言いたいわけでもないのです。
人間が幸せにならなくては、何のために生きているのか分らない。

(後注 たとえば、無理してボロボロのもの着たり、カッコワルいもの着たりして、人から嫌われたりしたら、人生意味不明なものになってしまうだろう。)




イギリスのウールを見たところで、次はイタリアのウールを見てみましょう。
これですね。

イタリアのエキストラファインメリノのニットを見せる。

竹田
「柔らかくて気持ちいいですね。」



ccplus
さっきのイギリスの丈夫なニットは、固くて痛いですけど、こういったニットは柔らかくて着やすいんですよ。これがイタリア糸のニットです。おそらくイタリアはウールの生産地というよりは、加工地なんですね。だから糸の加工が進んだのではないでしょうか?色とか艶とか柔らかさとかですね、そういう面でイタリアのニットはスゴいんですよ。
食べ物で言えば、イギリスのニットは素材を活かす和食に近いもので、イタリアのニットは作り込んだフランス料理みたいなものですね。



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写真は、イタリアのカシミヤブランドの100%カシミヤのニット。
着心地が異次元です。


他にもウールの産地(加工地)で、全然ニットの表情が違いますよ。


これが、アイルランドのウールです。ぬめっとした光沢があって柔らかく、しかも丈夫な良いニットです。品種もあると思いますが、雨が多いという気候的なものも大きいと思います。



こちらがスコットランドのウールです。アイルランドのと似てますけど、もっとしっかりした(がっちりとした)感じがするのではないか?と思います。その分ちょっと固めですけど。。
もっともこの辺は、品種の違いや加工の違いもあるので一概には言えないですけれども。。




こちらはタスマニアウールと呼ばれているものです。
南半球のニットですね。これもぬめっとした光沢があり、大変肌触りがいいと思います。



これはデンマーク製の手編みのニットです。素材はニュージーランド産らしいです。色が独特ですよね。北欧らしい色使いです。この辺は、緯度と太陽の光の屈折率の関係や環境がありますよね。
北欧だとこういう色が映えるんですね。
(後注 武蔵野は、植生がデンマークに近い=落葉樹を利用し生活してきた雑木林なため、比較的デンマークのような北欧のものが良く合うようだ。吉祥寺で北欧系が人気あるのは、その辺りが大きく作用していると思う。)



写真は、デンマークのデザイナー、Helga Isagerによるハンドニットのブランド、『amimono』のカーディガン。キッドモヘア、アルパカ、メリノウールなどを使用しています。
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ニュージーランド産のメリノウールを使っているデザイナーも、とても多いです。
きめが細やかで肌触りがとてもよいと思います。



似たようなウールを使っていても、ドイツ製とフランス製とイタリア製では、多くの場合まるっきり表情が違うのも分るかと思います。
染色方法とか、加工法が違うんです。


ベルギーのウール生地は、伝統的にとてもしっかりしていてシックだし、フランスは華やかだし、ドイツは地味で丈夫、イギリスのもしっかりと丈夫なものが多く、イタリアのウールには色気があるのが多いです。



地中海と大陸内部では光の加減が全く違いますから。



日本は化学繊維の生地がとても発達しているのですが、ウールに関しては、クレームがつかないような品質を重視している感がありますね。色気は少ないです(笑)


日本は特に、工業製品としての生地や服としての捉え方が強いので、量産品を作るのは向いてますが、風合いとかを欧州の一流メゾンのように追い求めるのは、極めて難しい状況があるようです。
(後注 昔は着物生地という素晴らしいものが普及していたにも関わらず、そういう文化は衰退。現在でも、実はものすごい生地作っていたりもするのだが、とんでもなく高価か、あるいは売れずに直ぐ廃盤。B品扱いになってしまうものも多い→最近、またいろいろ出てきましたが、生き残れるかどうかは、消費者次第ということになりそうです。)


やはり、生地にどのようなものを求めるか?国民性が違うのでしょう。
イタリアの生地には、それ自体が歌っているかのような、何かを語りかけるような、そんな表情豊かな生地があります。もっとも、クレーム付きそうなものもあるんですが、それは当然というか、それよりも美を選ぶぜ俺たちは!みたいなそういう国民性が出ていると思います。ま、僕はそういうのが好きなんですけどね。申し訳ないけど、環境一辺倒にはなれないようです。笑





こちらは砂漠のラクダの毛キャメルです。ラクダは剛毛ですが、激しい日射しや温度差や砂嵐から身を守るために、内側にこんなに柔らかい毛があるんですね。



これは、ペルーのアルパカです。繊維が長くって光沢があって暖かく丈夫です。

シルクもそうですね。夏涼しく、冬は暖かい。


高価ではありますが、日常使うには、最高の素材の一つです。

もっとも、ウールに関しては、人それぞれ、肌の体質が違うので、柔らかくないと駄目という人は、とことん柔らかくないと駄目なので、人、それぞれに合ったものを選ぶことが大切だと思います。


(後注 このあたりの違いが知りたい人は、当店のニットやストールを実際に触って比べていただけると分かりやすいと思います)



続きます。
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by guild-01 | 2013-10-17 17:42 | FASHIONの本質 | Comments(0)