涼しいカットソー algorithm Tシャツとは何か?

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8,400yen(8,000) 半袖(short sleeve)MENS
algorithm project 001 / JPN
60% SUPIMA COTTON 40%LYOCELL
MADE IN JAPAN
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8,925yen(8,500) 半袖(short sleeve)MENS
algorithm project 001 / JPN
60% SUPIMA COTTON 40%LYOCELL
MADE IN JAPAN


まず、一番重要なのは生地選びです。

当初予定していたのは、綿100%の生地でした。
これを、ありとあらゆる生地を触って歩きました。

しかし、無いのです。
僕が求めている生地が無いのです。


やがて、それがなぜなのか?が、判明します。
日本のカットソー生地は、10番、20番、30番という風に、10番ごとの太さで糸を作っています。

なので、その糸をいくら織ったとしても、僕が思っている厚さの生地にはならないっていう事なんです。

機械的な番手(太さの基準)に作った糸は、論理的に感覚的に正しい厚さの生地を作るという目的とは関係無いのです。

それは、あくまで、『そういう仕組みになっている』という事に過ぎないのです。


そういう部分は、日本の繊維産業が、『殖産興業』『富国強兵』を合い言葉に国策産業として作られ、民営に払い下げられた歴史と多いに関係しているのではないかと思います。


日本の繊維産業は、いまだに体育会系であり、古い体質を温存したままです。


それはさておき、
結果的にalgorithm project001では、当初の予定よりも薄い生地が選ばれました。

なぜか?というと、綿100%では無い使えそうな生地を見つけたからです。

詳しい事は企業秘密なのですが、ヒントは、60/40クロスというアウトドア用の生地があるのですが、この生地はコットンとナイロンという縮率の異なる糸を組み合わせることによって、雨に濡れた時に防水効果を発揮するというものです。

これにヒントを得て、洗濯時の縮率の変化のコントロール。
又、汗をかいた時の生地のコントロールというものを思いついたわけです。


なので、綿100%よりも比較的生地が安定し、暑い夏でも、涼しい感じがするということなのです。


リヨセルを混紡することによって、薄いながらも滑らかさと張りがあり、よれよれにならないギリギリの状態を作ることが出来ました。

色は、黒です。

これは、Tシャツを『フォーマル=公式の場』で使えるようにする為の第一歩として必要な色でした。

それに、黒ならば、最低限の薄さにしても透けません。
目的に一番適した色なのです。


その他、ベンチレーション(空気をうまく外に逃す)構造として、膨らませる部分と絞る部分を作り立体化する。

肩のつなぎ目のラインを骨の後ろにずらして着心地を良くする。

前後の長さを変える。

これは、かがんだ時、デスクワークをする時に、自然と前屈みになりますので、後ろを長くしないと後ろが短くなってしまうからです。

首まわりや裾まわりも伸びないないように、通常のTシャツよりもかなり折り返しを短くしています。

シンプルなものほど難しい。
デザインというのは、そういう面があるのですが、一見しただけでは全く分らないと思いますが、様々なアイデアが盛り込まれています。


そして服は出来上がりました。


しかし、このプロジェクトは、服が出来上がった時が完成ではなく『始まり』なのです。


なぜなら、このプロジェクトは、『人間を苦しめる非常識な常識に対して、人々が声を上げ、それを変えていこう』というプロジェクトだからです。


それは、『非常識な常識』に実際に苦しんでいる人々が、実際に変えていかない限り、何も起こりません。


今はまだ、「着心地や良くてカッコ良くて涼しいTシャツがあって良かったね。」
こういう状況なわけです。


僕は、自分達で作ったこのTシャツそのものが、世界中で販売されるということを考えているのではありません。

これは、大河の最初の一滴を作るために作られたデザインなのです。

そのために、このクオリティ、このデザイン、この価格というものが必要だったのです。


このTシャツは、かなり凝った作りなので大量生産には向いていないと思いますが、やがてこのデザインが、人々の共通認識になる時、大量生産してもローインパクト(人にも環境にも)な製品として、リ・デザインされる必要があるだろうと思っています。

その為のお役に立てるのなら、私達は、デザイナーとして、そのプロジェクトのお手伝いをする用意がありますので、是非企業の皆様におかれましては、よろしくお願いいたします。



そして、何より一番必要なのは、非常識な社会制度による暑さに苦しんでおられる方々が、実際に、職場で議論して、制度を改革するっていう事です。

「そんなの無理だよ」と思う人も居るかもしれません。



小沢健二が、「世の中が変わるわけがないんだよ」って病気のように皆に広まっていくのが灰色の作戦なんだって言ってました。

「その割に、代表のサッカーがどうのって、自分ではどうにもならない領域を熱く議論している。」って


でも、今回、サッカーブログを真剣にやってみて分ったのは、我々にはどうにもならないと思われていた代表のサッカーでさえ、我々の議論が、間接的に代表のサッカーを変えていき、結果的に皆幸せになったっていうことなんですね。

そう、どうにもならないわけじゃないんです。


『非常識な常識』は変えることが出来るのです。
なぜなら、皆、それが本当はおかしい事に気付いているからです。
そういう事は、皆が声を上げれば、行動を起こせば、ちゃんと変わるのです。


それは、日本の暑い夏にスーツを着なければならない非常識や、大量破壊兵器があると嘘ついて他国を爆撃する非常識な国や、何の危機管理も出来ないままに続いている原発についても同じだと、当ブログ管理人は強く思っています。


という記事を書いた後、福島第一原発事故が起きた。
電力不足によって、職場の服の基準は大きく変わった。

夏の仕事着は、革命を迎えたのだ。

もう、当ブログの記事は、常識になりつつあります。
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by guild-01 | 2013-07-25 15:12 | algorithm | Comments(0)

涼しいカットソー algorithm Tシャツが出来るまで

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8,400yen(8,000) 半袖(short sleeve)LADIES
algorithm project 001 / JPN
60% SUPIMA COTTON 40%LYOCELL
MADE IN JAPAN
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8,925yen(8,500) 半袖(long sleeve)LADIES
algorithm project 001 / JPN
60% SUPIMA COTTON 40%LYOCELL
MADE IN JAPAN



この記事は書いた当時のものを再掲載したものです。


このalgorithmプロジェクトは、デザインによって、社会の仕組みや日常の構造を(少しでも良い方向へ)変えようという意図を持っている。


このTシャツを作った理由

まず、最初の疑問点は、なぜ日本人が、夏でもスーツを着なければいけないのか?という素朴な疑問だった。

スーツというのは、イギリスで誕生したものだ。
イギリスは、夏でも涼しいのだ。

ちなみに、今日のロンドンの気温は、最高気温が20度。最低気温が11度である。

夏でもこんなに涼しいのだ。


この気温なら、スーツを着るのは、理にかなっている。
僕は、イギリス人だったら、「スーツ着るな」とか、とくに言わない。


しかし、昨年の吉祥寺の8月の平均気温は、最高気温35度。最低気温27度である。


誰がどう考えてもスーツを着る気温ではない。


なのに、なぜ多くの日本人は、来る日も来る日も、スーツ着て汗まみれになって満員電車で通勤しなければならないのか?

これは、本当に意味が分らない。

けれども、社会が、スーツを着るのが公式であるという社会常識を持っているために、意味不明で最悪な行為であっても、それがまかり通るのだ。


もちろん、最近は『クールビズ』などという言葉も出てきたように、それを変えようという風潮は出てきた。

僕が昔から言い続けてきた事が、僅かながら浸透してきた事は感じる。

しかしながら、『クールビズ』などという言葉が一人歩きし始めてから、僕がやろうとしていた事は、矮小化されてしまったようで、寂しいのも事実。

何か説明しようとすると『クールビズ』ですね。の一言で片付けられてしまうようになってしまったのだ。


『クールビズ』の何が一番問題なのか?というと、それが、とりあえず『ネクタイ』取りましょう。という運動になってしまった事だ。

説得力のあるデザインにならなかったのである。


で、何が起きたのか?というと、職場の規定では、『ネクタイ』外してもオーケーです。
でも、外回りの営業行く時は、ネクタイにジャケット必須です。
それが社会常識だから。

みたいな感じになってしまったのだ。


ようするに、身内の規定では、ネクタイ無しでもオーケーだけど、公式にはネクタイしてね。
ってこと。


これでは、営業の人達があまりにも可哀想である。

気温35度といえば、アスファルトやコンクリートの照り返しでは、40度を軽く超え、50度に達するところもあるだろう。

そんな中をスーツにネクタイして歩くなんて、自殺行為だ。


では、営業の人が皆そういう自殺行為をしているのか?というと、そうでもなく、賢い人は、車で移動するわけです。
車なら冷房をがんがんに効かす事が出来る。

エコカー補助金も出る。


しかし、ちょっと待てよ。
それでは、環境負担が前よりもむしろ増えているのではないのか??


というわけで、ここでもう一度、『クールビズ』の運動を考え直そうと思います。


僕達が開発したalgorithm project001のTシャツ(カットソー)というのは、Tシャツであるというのが、一つの答えでした。

というのも、『シャツ』というのは、襟が付いています。
なぜ付いているのか?というと、一つの目的は、『ジャケットの襟を汚さないため』
もう一つは、『ネクタイ』を締めることが出来るため。

です。

つまり、シャツの基本構造が、ジャケットを着るために出来ているのです。

これでは、『フォーマル=公式』のルールが変わるわけがありません。
ジャケットを着ない、あるいはネクタイを締めないというのが、『インフォーマル=非公式』のルール。
つまり、公式はネクタイ+ジャケットだけど、暗黙の了解でオーケー。
の領域になってしまうのです。



これでは、世界は変わることが出来ません。


僕が、algorithm project001で提出したかったのは、我々の『フォーマル=公式』のルールを変えようというものです。


ですから、僕達は、このTシャツを開発するのにあたって、あらゆる事を考えました。

まず、襟は無し。
なぜなら暑いから。

ジャケットを着る場面も想像するけれども、それは必要最低限にすべき。
襟が無いので、襟が汚れるため、必要最低限の着用になる。
つまり、当初の目的に合致しているということなのです。


そして、もう一つ重要な事は薄さです。
素材は薄ければ薄いほど涼しくなるわけですが、当然のことながら、薄くなればばるほど丈夫では無くなるわけですし、透けてしまいます。

透けてしまったら、一枚では着れなくなるので、これは、本末転倒ということになります。

なので、素材は、繰り返しの洗濯が出来るギリギリの薄さで、透けないギリギリの薄さという事が求められるのです。

もう一つ重要なことは、このTシャツが、スーツを着ていた時と同じように、仕事の場に相応しく見えるのか?ということです。
これは、このTシャツを開発するのにあたって一番重要な事でした。

仕事の場に相応しく見えなければ、それが受け入れられる可能性はゼロだからです。


しかしながら、この点に関しては、僕は確信を持っていました。
欧州の一流デザイナーは、ファッションやプロダクト、建築にしても、もの凄く綺麗なTシャツ(カットソー)にサマーウールのスラックスやスカートでクライアントと打ち合わせをする。というのが、ごく普通に見られていたからです。

もちろん、ジャケットを着る時もありますし、着ない時もある。
それが、クライアントとの打ち合わせでもオーケー。ということは、つまり、デザイン感度の高い人の中では、それが既に受け入れられているという事です。

これは、我々のやっている事が、受け入れられる可能性があるということを大いに示してくれます。


そして、重要だったのは、そのTシャツ(カットソー)が極めてよく出来ており、説得力があったことです。

その人達が仕事をしている時、誰もあいつはTシャツだからけしからん。という風に見えなかったわけです。
ものすごくちゃんとしていて、しかもカッコ良かった。

これなら、受け入れられるはずだ。
と、僕は思いました。


しかし、残念ながら、それはあまりにも高価だった。
一般の人が日常で使うことの出来る値段ではなかった。
1着3万円もするTシャツ(カットソー)を日常着れる人なんてほとんど居ません。

ということで、まず値段を三分の一にする事を目標に、開発はスタートしました。


長くなるので続きます。
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by guild-01 | 2013-07-24 17:40 | algorithm | Comments(0)