Miho Tanaka(オーダーメイドウェディングドレス May&une)インタビュー3/3



新春特別企画

Miho Tanaka(オーダーメイドウェディングドレス May&une)インタビュー1/3

Miho Tanaka(オーダーメイドウェディングドレス May&une)インタビュー2/3のつづきです。


ccplus
オートクチュール(オーダーメイド)とプレタポルテ(既製服)の作り方の違いについて教えていただけませんか?


Miho Tanaka
既製服は、標準サイズの大きさに沿って型紙を起こして作っていきます。
オートクチュールは、その人だけのために作るので、大きさやバランスが、既製服とは異なってきます。



ccplus
文化服装学院は、学生を使って身体の大きさを立体測定し、標準ボディを作っているそうですが、その標準とは違うのですか?


Miho Tanaka
その標準とは違います。メーカーやブランド独自の標準サイズがあり、それはまちまちです。


ウェディングドレスのオートクチュール(オーダーメイド)をやってみて、初めて人間の体型や大きさは様々なのだと実感しています。
所謂『標準体型』の人など、ほとんど居ないのだなと。


ccplus
それは、ありますね。
なので、うちも様々なブランドを入れてます。
人それぞれに似合うものが違いますから。


ウェディングドレスを受注した場合、まず何をするのですか?





Miho Tanaka
まず、お客様と話合います。
お客様と話しながら、要点や要望をお聞きした上で、希望のイメージをふくらませていく作業をします。

お互いの思い描く形を確認するために写真等の資料をお見せしたりデザイン画を描いていきます。

最低でも10型くらいお客様に提案していきます。





通常出来上がりまで3ヶ月ほどなので、その中で仮の布での調整(仮縫い)が2〜3回あり、それで全体のバランスを見ながら調整していき、また、生地やディテールなど様々な提案をしていきます。


もちろん、通常のメーカーの既製服でも、こうしたチェックは行うのですが、オートクチュール(オーダーメイド)の場合、これよりもずっと長い時間(出来上がりまで2〜3ヶ月)をかけて、調整していきます。


オートクチュール(オーダーメイド)は、この時間的なプロセスが楽しいと思います。

お茶やお菓子も出てきますし(笑)




ccplus
ドレスをデザインする時、何をインスピレーションにして始められますか?


Miho Tanaka
その時によって違いますが、たとえばこれは、川のほとりの半分屋外のテラスで、オーガニックの野菜を使った料理を出すレストランでのウェディングということで、
まっ白というよりは より自然に寄り添った生成りに近い色の素材を使用しています。

川の流れのイメージと共に自然光で美しく浮かび上がるよう チュールを沢山重ね表現しました。






ccplus
半透過の光の効果が上手く出ていますね。


Miho Tanaka
ありがとうございます、布の動き方も綺麗でした。

そして、想い出の着物生地をドレスに使いたいというご要望でしたので、新郎のジャケットのラペルと新婦のウエストベルトに共生地の着物生地を使用しました。


この結婚式は、友人の結婚式だったので、実際に参加したのですが、緩やかでおだやかな時間が流れていて、とても良い結婚式でした。

こういう半屋外の結婚式ということですと、海の家の結婚式のドレスなんかも、是非デザインしてみたいと思っています。


ccplus
夕陽にきらめくドレスなんかも、ロマンチックでとても綺麗でしょうね。




ところで、ドレスの仕事は楽しいですか?



Miho Tanaka
高校生でユニフォーム製作に関わった時、 イッセイのアトリエの駄目だしをしてくれた方から「服、楽しい??」と 聞かれて 「楽しいです!!」と間髪入れず、 涙が出てしまうほどの笑顔で答えたのを覚えてます。 

文化の時受けたイッセイミヤケの面接会場で、BFBの修了ショーで、東京コレクションブランドの社食で、お会いする機会がある度に「服、楽しい?」と聞かれるのです。

 
BFBの修了時は 作品の創り込みと社会での進む道のついてのギャップに悩みながら、着用者のアテさんに助けられ作れたような状況でしたので「楽しいです」の答えにはかなり嘘がありました。
 

仕事として服に関わってからは もちろん学生の時とは違う楽しいも苦しいもありますよね?
だから高校生の時とは違うではなくて、「楽しい?」=「心弾んでいる?」という事だったのかなあと




これからもこの言葉を自問自答しながら製作していき、心弾むドレスを良き日に着ていただけたら嬉しいですね。

ccplus
着ていただくご本人、式に招待されたゲストが楽しいのが一番ですから。
作る側は、そうなることが、一番心弾むことかもしれないですね。




ブランドの方向性・アイデンティティとしては、どういうことを考えていますか?


Miho Tanaka
図書館みたいなイメージというものはあります。


ccplus
それは、歴史性とか知性を反映するということですか?


Miho Tanaka
はい。でも、それは、ヴィンテージ風ということではなく、そういった歴史性に現代の要素を取り入れた感じということです。




ccplus
モードが入っているということですか?


Miho Tanaka
いいえ、実はあまり、モードとかトレンドという言葉は使いたくないのです。


歌舞伎観賞が趣味のひとつなのですが、昔は歌舞伎は紋付袴で観に行く と言われていたように、和装の女性や羽付きの帽子にループタイにツィードジャケットの男性など、晴れ(非日常)の日を意識した服装の方が多いです。

特に年配の方の着こなしが粋で、トレンドというお洒落
じゃないんですね。本当にそれぞれに楽しんでいる。

こういう場所に行くと、素敵に年を重ねていきたい。と、素敵な大人に憧れます。


ccplus
歌舞伎は実は、高校生以来行ったことがないのですが、海外だとコンサートや劇やパーティーなど、大人の楽しみの場所が沢山あり、幕間の時間なども、とても洒落ているので、日本でも、もっとそういう場面が増えれば良いのにと思います。





Miho Tanaka
歌舞伎の幕間の時間もとても素敵なのです。
頼んでおいた松花堂のお弁当を食べたり、職人さんに印鑑を彫ってもらったり。。
客席から廊下に出ると縁日のような光景が繰り広げられていて

日本で可能なマナー(TPO)を最も意識した身近なものは やはり冠婚葬祭でしょうか。


ccplus
たしかに冠婚葬祭は、儀式として様々な決まりというか伝統がありますよね。


Miho Tanaka
ただ、決まりきった伝統的な型に当てはめるのではなく、着る方やそのご家族にまつわる思い出や、会場の歴史、会場の建物を手がけた建築家の想いなども デザインに取り入れ、新しいTPOを意識したドレスを作れたらと 思っています。

TPOM(Time,Place,Occasion,Memories)と言いますか


ccplus
そういうものが、是非見てみたいですよね。






所謂、一般的な結婚式に対する疑問ってありませんか?

僕なんかは、本とか雑誌を見ても、どうもピンと来ないことが多いのです。デザインする側からの視点から見てということですが。。

一般の参加者も、なんで突然こういうスタイルになってしまたのか?と思う人が沢山居ます。


Miho Tanaka
ヘアメイクもそうなのですが、所謂一般的な結婚式ってパッケージ化されていて、髪が不自然に巻かれていたり、普段の『ワタシ』とは極端に違うヘアメイクや服装になってしまい、それに慣れないままに挙式を迎えるということが多いように思います。


ccplus
そうですよね。なんというか、すごく不自然な感じに思えるのです。
もちろん、『ハレの日』なので、いつもと違った特別な部分は、当然必要だと思いますが、それが正しくカタチになっていないのではないか?と思います。


お葬式もそうなのですが、あたふたとしている合間に、
なぜだか戒名書いてもらうのに10万円払っていたりとか、それ、本当に必要なのか?と



Miho Tanaka
時間が足りないし、分らないから、おまかせになってしまうのでしょう。

晴れ(非日常)の日の感覚に慣れていない、もしくは、晴れ(非日常)の日の標準を誤解されている方も多いのかなと思います。

晴れ(非日常)の日だからといって、突然、サテンのドレスを着て羽根がついたものを羽織らないといけないわけではなくって、普段のお洒落の延長線上に、もっと粋なお洒落というものがあるのではないかと思います。






ccplus
そういう意味では、結婚式が出来る美術館や、特別な場所を多く訪問した時に、そういった粋な着こなしをしたくなりましたよね。自然と。


Miho Tanaka
そうですね。

デザインするにあたり 市場に流通する服には 制約が必ず発生しますよね。
予算だったり、ブランドの要素だったり、、


しかしTPOという面では 意識が薄くなっているのかなと感じます 。

作る側も着る側も、着こなしの幅が広がったという事もありますが、、しゃきっと背すじを伸ばして楽しむお洒落 も作りがいがあり、着こなしがいもありますよと提案したいです。



ccplus
日本にも世界にも素敵な場所が、まだまだ沢山ありますので、是非ドレスアップして出かけてみていただきたいですね。

たとえば、そういうデートを繰り返しているうちに、自然と身のこなしや、結婚式のドレスアップの心構えなんかも出来てくると思いますし。







Miho Tanaka
ウェディングのことでいえば、やはり、時間が無いということが、一番問題だと思ってます。

なので、日々発見するアイディアや細部のデザインを会話の中でご提案することで、お手伝いできたら と思っております。

もっともっと素敵な結婚式が出来るのではないかと思います。


式準備スタートから、好きな映画のウェディングシーン等の資料や写真を集めたり、素敵なお気に入りの場所に行って想像を巡らせたりしながら、ドレスを作っていただけるとより嬉しいです 笑

こちらも発見がありワクワクします。

そして、自分が招待されたら、ワクワクする、行ってよかったなと思えるような結婚式 是非してほしいなと思います


ccplus
そのためには、とりあえず、どこかの結婚情報誌を読んで、全部セットになっている式を決めるとかではなく、自分の五感を使って、楽しみながら準備していただきたいですね。


本日はどうもありがとうございました。


Miho Tanaka
こちらこそ、ありがとうございました。










デザイナーズ・ウェディングドレスの May&June


詳しくは
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特別な場所での役に立つウェディング情報 世界遺産・重要文化財・美術館で結婚式など、ウェディングの新しいカタチを探求します
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クリエイター・インタビュー第三回 
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クリエイター・インタビュー第一回 DAN TOMIMATSU 富松暖
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DAN TOMIMATSU インタビュー 第二部 イタリア編
http://changefashion.net/blog/ccplus/2011/12/25152709.html


DAN TOMIMATSU インタビュー 第三部 帰国編
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クリエイターインタビュー第二回 TAKIZAWA NARUMI その1
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TAKIZAWA NARUMI インタビュー第二部 服作り編
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by guild-01 | 2013-05-01 14:10 | Miho Tanaka | Comments(0)