東京コレクション日記2015SS 独自の進化を遂げる『malamute』
東京コレクション日記、じわじわ行きます。
今回書くのは、2シーズン目の新進ニットブランド『malammute』
前回、change fashionの滝田氏のイチオシで見て来た。
というか、そもそも滝田氏を紹介してくれたのが、小高さんだったような気もするのだが。。
デザイナーの小高真理氏は、文化服装学院大学院大学卒業後、ISSEY MIYAKEを経て、MIKIO SAKABEなどのニットを担当。
昨シーズン、自身のレーベルを立ち上げた方。
しかし、ISSEY MIYAKEは、個性的な人材を採用しますよね。
他に2人知ってますけど、どちらも超個性的なクリエイターです。
筆者が、『売れるかどうかは、よく分からないけど、明らかな才能があると感じている人材』をしっかり採用しています。
その懐の深さがトップブランドなんでしょうね。
MIKIO SAKABEのへんてこりんなニットも、この人が作っていたのか。
さて、『malammute』である。
デビューコレクションは、良いのか良くないのかよく分からなかったが、インパクトがあった。
そして独自だった。そして何より話が面白かった。
デビューコレクションのテーマは、「おばあちゃんが持っていた黒と赤の「FEILER(フェイラー)」花柄のタオルが嫌いだった子供の頃の記憶が、大人になってみたら、もしかして、あれはお洒落だったかもしれない」と思いついて始めたコレクションだそうだ。
ダサイが、お洒落に見えなくもない。
ビミョーだ。
しかも、モールニット
皆さん、モールニット知らないでしょう。
昔、筆者が某安いカジュアル系服屋で働いている時に売ってましたよ、モールニット。
それを使うか?
(それが、後で街で見かけたら、お洒落だったのです。しかも目立つので直ぐ分かる)
筆者 「小高さん、どこ出身ですか?」
小高 「所沢です。」
筆者「そうでしょ、西武線っぽいですよ、このコレクション」
小高「分かりますか?それです。あのビミョーな感じを出したかったんです」
筆者「分かる、分かる。あの都会に近いのに、全くあか抜けない感じ。これは西武線だ。」
滝田「俺、全然分からない」
こんな会話が交わされてから半年。
今回も、招待状が送られてきたのですが、その中にはコレクションの写真集が同封されていました。
ぱらぱらめくってみると、これが実に素晴らしい写真集なのです。
写真は、こちらから見れます。
http://malamute-knit.com/2015sscollection/
ホームページを見てみると、今年の木村伊兵衛賞を受賞した、新進の写真家 森栄喜さんが撮影しているとあります。
どうりで、ものすごく良いと思ったわけです。
動画がこちらから見れます。
http://www.tokyofashionfilm.com/pages/malamute_2015ss.html
写真集は、江の電と稲村ケ崎、鎌倉で撮影されています。
筆者「あの写真集、ものすごく良いですよ」
小高「ありがとうございます。この写真集のおかげで、いろいろなところから問い合わせが来ました。」
HIGH FASHION ON LINEの編集長 西谷真理子さんのブログにも紹介されていました。
西谷真理子 ファッションエディター
2015東コレ日誌「女子の強気」なお一層。
■malamute
http://www.fashionsnap.com/the-posts/2014-10-16/15ss-nishitani-03/
では、コレクションの話に戻ります。
今回のコレクションは、「子供の頃、父親と一緒に作ったトランジシタラジオ」がモチーフになっているそう。
小高「子供の頃に、ハンダ使って作ったんですよ。ラジオ
その部品の『抵抗=トランジスタ』にストライプが付いているじゃないですか?」
筆者「あ、あるね。あ、あれですか、このストライプ!笑」
小高「分かりますか?言っても分からない人多いんですよ。」
筆者「そりゃ、分からないでしょうね。うちの父親もオーディオ自作してたので。。JBLのスピーカーやら真空管アンプやら」
小高「うちの父も真空管ラジオ作っていました。
で、ラジオから電波が出るじゃないですか。その電波のイメージなんです。」
筆者 「これが電波ですか。もしかして、このニットの微妙なストライプはシルク??」
小高 「そうです。シルクをランダムに使ってます。それも電波のイメージです。
今回は、コットンとシルクを多く使っています。ストライプの腕の部分はシルク100%です。肌触り良くしたいので、直接肌に触れる場所は、シルクにしてあります。」
筆者「いろいろ工夫しているんですね。
電波もあると思うけど、チルデンセーターモチーフだよね。皇太子とかがテニスの時に着てそうじゃない??木のラケット持って」
小高「そうです。そのイメージもありました。
そういう時代なんです。父親の持っていた古い写真がベースになっているので。そういうイメージを森さんに伝えて写真を撮ってもらいました。」
とにかく、個性的で、我が道を行く、malamuteであった。
個性派女子の皆さん、いかがでしょうか??
小高さん身長152センチだそうなので、小柄な女性の方にもよく合うと思いますよ。
着ているだけで、直ぐ『マラミューター』だと分かります。
町中で見かけたら、直ぐ仲良くなれるかも??
そんなコレクションでした。
by guild-01 | 2014-10-29 22:52 | 展示会