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コルトー、ティボー、カザルス

このところ、音楽といえば、アルフレッド・コルトー(ピアノ)=アルフレッド・ドニ・コルトー(Alfred Denis Cortot, 1877年9月26日・スイス、ニヨン - 1962年6月15日・スイス、ローザンヌ)、ジャック・ティボー(ヴァイオリン)=(Jacques Thibaud, 1880年9月27日 - 1953年9月1日)、パブロ・カザルス(チェロ)=(Pau Casals i Defilló, Pau Casals, 1876年12月29日 - 1973年10月22日)ばかり聞いている。


彼らが活躍していた時代と言えば、1910年代から30年代。
今から70年とか80年前の演奏なのに、素晴らしい。

録音技術もろくに確立されていない頃の録音。
でも、そのマイクも無いような稚拙な録音、ノイズだらけの音は、不思議に心と身体を捉えて離さない。
その音は、本物の匂いがする。
歪んでいる、擦れている。複製である。
でも、それは本物の音楽なのだ。


最近のファッションとかカルチャーにあまりワクワクしないのは、何故なのだろう?と考えていくと、『完成され過ぎているから』っていうのが大きいのかな?と思い始めている。


今年、ベルリンのミッテ地区に行く機会があって、ベルリンの最新のカルチャーとやらを見てきたのだが、正直な話、ファッションのレヴェルは裏原宿レヴェルで、買い付けたいと思うようなものはほとんど無かったのだが、でも、面白いといえば面白かったのは確かなのだ。


それはきっと、まだベルリンという街が完成されていなくて、特に旧東ベルリンだった地帯から生れでるクリエイティブなエネルギーみたいなものがあるからだと思う。



何かザラザラとしたもの、ハッとするもの、ドキドキするもの。
そういうものに出逢えることが出来なければ、面白くない。


guildの店は、現状とても居心地が良い白い家で、高台にあるから、爽やかな風が吹き、夕暮れ時は特に美しい。
まるで『海の家』みたいだ。
それはそれで素敵なのだが、それだけだと創造性を持続するのは難しい。


この空気や光や温度を利用して、新たな創造性のエネルギーに変えていかなければならないと思う。


恵比寿の東側は山の手で、上品で洗練された街。影の感じられない街だ。
一方、西側に行くと、防衛庁やらゴミ処理場やら、この世界の闇の部分が凝縮されているのが分る。

闇を見ないようにした街、見えないようにした街は、その闇を他者へ押し付けているように思える。
光が影を産むのだ。


ハプスブルグ家の城下町であるウィーンが、ナチスドイツを産む土壌になったのは、このことが大きな要因となっているのではないだろうか。
”闇を排除した光は、いずれ必ず闇に手痛いしっぺ返しを受けることになる”
歴史は語っている。


一方で、光と闇の劇的な対比は、カラバッジョ(Caravaggio) =ミケランジェロ・メリージ(Michelangelo Merisi、1573年9月28日 - 1610年7月18日)やレンブラント=レンブラント・ハルメンスゾーン・ファン・レイン(Rembrandt Harmenszoon van Rijn, 1606年7月15日-1669年10月4日)等、偉大な芸術家を産み出すことになった。

そんな光と闇の際に立ち、防衛庁に沈みゆく美しい夕陽を見ていると、光と闇を分けるのでは無く、その中間にこそ美しい夕陽があることが実感出来る。
私達は”、闇を含んだ光”である。
だから美しいのだ。





ものごとが過剰である場合、エネルギーは高い方から低い方へ流れてく。
一方で、何かが足りない状況というのは、エネルギーを産み出す=エネルギーが流れ込んでくる必要性、あるいは必然性がある。

その境に、エネルギーの渦は巻く。
創造性の激動が生まれる。
恵比寿の光と闇の境に、創造性の激動は生まれるだろうか?

by guild-01 | 2007-08-29 19:32 | ART