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『知られざる鬼才 マリオ・ジャコメッリ展』

マリオ・ジャコメッリ MARIO GIACOMELLI

東京都写真美術館で開かれている『知られざる鬼才 マリオ・ジャコメッリ展』イタリアの奇才を見る。


正直言って、こんなにスゴいとは思わなかったです。
チラシを見て、好きそうな感じとは思ったけれど。。
事前に情報がまるで無かったですし。。


写真が好きというか、アートが好きな人というか、みんな、今直ぐ行って見た方が良いと思います。5月6日まで、あと少ししかない!!
それほど希有な写真展です。



マリオ・ジャコメッリは、いわゆるプロの写真家ではなく、アマチュアの写真家らしいです。
でも、たぶん、プロの写真家が何百人束になってもかなわないと思う。
プロってなんだろう??

マリオ・ジャコメッリの本職は印刷業らしい。
そして、たぶん、マリオ・ジャコメッリの写真は、印刷業というバックボーンが無ければ、成し得なかったもの。

彼は恐らく、写真を撮っていない。
写真を写していない。

彼は、写真を描いている。
あるいは、写真を紡いでいるのです。




ここ10年余の間、写真というものの限界についてずっと考えてきました。


杉本博司という素晴らしい写真家が居ます。
僕は彼の写真がとても好きです。
しかし、彼の写真を見ると、写真の限界について考えてしまうのです。写真表現の限界です。


だから、僕は、ウォルフガングティルマンス
マークボスウイック などのファッション写真に近い人達を好んで見るようにしてきました。
彼らの写真は、写真表現の限界という位置とは関係ないところで素晴らしいから、それらを見ることは、純粋な喜びなのです。


でも、マリオ・ジャコメッリは違います。
彼は、写真表現の限界を恐らく正面から突破してみせているのだと思います。

彼の写真を見ていると、写真の限界がまだ無かったのだということに気付くのです。


彼が残した一本一本の線の強さ、儚さ、美しさ。
彼が残した皺や襞や畝は、宇宙の存在そのもにまで達する本質を秘めている。


畑や木の切り株や波は、具象であると同時に抽象であり、内面であると同時に外部であり、傷であると同時に生命力でもある。


世界の細部には宇宙が隠されていて、その存在をジャコメリのカメラは刻印し、描きとっていく、紡ぎ出していく。


彼が残した画像の重なりや影や残像は、詩であり、夢であり、物語である。
虚像であり実存であり、歴史であると同時に瞬間である。


彼の写真は解釈されるべきものとして存在し、解釈を拒む。
それはただ詩としてそこに存在している。


ルポルタージュでもドキュメンタリーでも無いもの、でもそれは、遥かにそれらの表現よりも多く何か本質を伝えている。


写真とは何か?
マリオ・ジャコメッリの写真は、その問いに答えている。
それは『写真である』と同時に『写真では無いも』のだ。

私達はこれからどこへ向かうのか?

マリオ・ジャコメッリが最後に残したものは、レオナルド・ダヴィンチと同じく『謎』だった。



現在では世界遺産となっている、アントワープにあるプランタンモレトゥス印刷博物館に行ったことがある。
そこの活版印刷や機械を見ていると、文字を写すということが、当時どれほど大変かつ切実なことであったのか?ということを感じざるを得ない。
そして私達は、ほんの少し前まで、大変な努力によって一つ一つ、文字を組んで印刷を行ってきた。
私達は、文字通り、文字を打ち付けることによって情報を伝えてきたのだ。


活版印刷が誕生した16世紀初頭、『神は死んだ』と言われた。
活版印刷の技術の普及によってギリシアやイスラムや古代ローマの膨大な文献が呼び起こされ、それは印刷によって世界中に広まっていった。
それは、情報の統制により、地位と権威を欲しいままにしていた教会の権威を失墜させ、科学と新しい価値観、世界の見方を世に解き放った。
そして、それは『ルネッサンス』と呼ばれた。

『ルネッサンス』は、最高の芸術と最悪の宗教戦争を産み出した。


そして21世紀
私達は文字を打ち付けることを放棄し、情報は0と1が表すデジタルな記号に置き換わった。
私達は世界を0と1によって認識し始めているようだ。

しかし、世界とは0と1なのだろうか?


マリオ・ジャコメッリの写真は、かつての活版印刷を産み出した人達が作った本と同じように、世界に向かって、その手で打ち付けたもの、紡ぎ出したものだ。
そこには世界の本質というべきものが詰まっている。
人はそれを『芸術』と呼ぶ。


ここに、マリオ・ジャコメッリのカタログがある。
そして残念ながらここには、『マリオ・ジャコメッリの写真というべきもの』は写ってはいない。





『知られざる鬼才 マリオ・ジャコメッリ展』イタリアの奇才

東京都写真美術館

■会 期:2008年3月15日(土)→5月6日(火・祝)
■休館日:毎週月曜日(5/5は開館します)
■会 場:2階展示室
■料 金:一般 1,000(800)円/学生 800(640)円/中高生・65歳以上 600(480)円

住  所〒153-0062 東京都目黒区三田一丁目13番3号
恵比寿ガーデンプレイス内 電話 03(3280) 0099/FAX 03(3280)0033
開館時間
10:00〜18:00 (木・金は20:00まで)
※いずれも、入館は閉館の30分前まで
休館日毎週月曜日(休館日が祝日または振替休日の場合、その翌日)、年末年始
※2008年5月7日(水)は休館
※2008年7月22日(火)は臨時開館

by guild-01 | 2008-05-03 20:56 | ART

シュルレアリスムと写真 痙攣する美

シュルレアリスムと写真 痙攣する美

3月15日(土)より、東京都写真美術館において、面白そうな展覧会が開かれます。


引用開始


1924年にアンドレ・ブルトンを中心として、活動の開幕が宣言されたシュルレアリスムは、パリをはじめ世界中に波及し、多用な表現世界を繰り広げました。大戦間に誕生したこの20世紀最大の芸術運動は、世界的な広がりを見せ、純粋な視覚表現から広告やファッションといったあらゆる領域にまで浸透し、人々の感性や表現力に革命をもたらしました。

本展は、写真とシュルレアリスムの関係に注目した国内初の大規模展です。シュルレアリスムの全貌を問い直し、「シュルレアリスムとは何か」という問いかけから、「写真とは何か」という問いかけに繋がる考察の場として、そのユニークな視覚世界を約200点でご紹介いたします。
シュルレアリスム(超現実主義)とは、単なる空想のなかに存在する非現実の領域を表そうとしていたのではなく、現実の中に存在する、いわば強度の現実を捉えようとしたものでした。

以下 全文はこちら


これは行かなくてはなりますまい☆☆☆

*同時開催 イタリアの写真家マリオ・ジャコメッリの展覧会




■会 期:2008年3月15日(土)→5月6日(火・祝)
■休館日:毎週月曜日(5/5は開館します)
■会 場:3階展示室
■料 金:一般 700(560)円/学生 600(480)円/中高生・65歳以上 500(400)円
※( )は20名以上団体および東京都写真美術館友の会、上記カード会員割引
※小学生以下および障害者手帳をお持ちの方とその介護者は無料
※第3水曜日は65歳以上無料
※ぐるっとパス利用可能

■Period:March 15→ May 6,2008
■Closed Day:Monday (Tuesday if Monday is a national holiday)
■Venue:Exhibition Gallery, 3F
■Admission:Adults ¥700(560)/College Students ¥600(480)/High School and Junior Hight School Students, Over 65 ¥500(400)



〒153-0062 東京都目黒区三田一丁目13番3号
恵比寿ガーデンプレイス内 電話 03(3280) 0099/FAX 03(3280)0033
開館時間
10:00〜18:00 (木・金は20:00まで)
※いずれも、入館は閉館の30分前まで
休館日毎週月曜日(休館日が祝日または振替休日の場合、その翌日)、年末年始
※2008年2月26日(火)、27日(水)、3月2日(日)、4日(火)〜7日(金)展示替えのため休館
交通機関JR山手線恵比寿駅東口より徒歩7分(恵比寿ガーデンプレイス内)
当館には専用駐車場はありません。お車でご来館の際は恵比寿ガーデンプレイス内の駐車場をご利用ください。

by guild-01 | 2008-03-03 21:49 | ART

日本の新進作家 Vol.6 スティル/アライヴ

ただ今の東京都写真美術館の展示は

日本の新進作家 Vol.6 スティル/アライヴ です。

伊瀬聖子 
大橋仁 
中屋代敏博 
田中功起

■会 期:2007年12月22日(土)→2008年2月20日(水)
※2007年12月28日(金) 10:00~18:00
■休館日:毎週月曜日(休館日が祝日・振替休日の場合はその翌日)
■会 場:2階展示室
■料 金:一般 700(560)円/学生 600(480)円/中高生・65歳以上 500(400)円

http://gardenplace.jp/event/shinshinsakka_6.html?mv=sb&id=siteTop_index

by guild-01 | 2008-01-30 18:06 | ART